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鉄道で巡るヨーロッパ心の旅11

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 スイス・カンデルシュテークからイタリアへは、目と鼻先ほどに近い距離。トランクや大きな荷物をスイスの常宿に預けると、皆さんリュック一つで、1泊2日のイタリア・ミニ旅行に出発です。行き先は、水の都ベネチア。夕食のとき、宿のオーナーが、「イタリアでは、スリや置き引き、しつこい奴に気をつけて!」と、大きなアクションでスピーチを披露。その滑稽な説明に、皆さん笑いこけていました。
 翌朝、放牧に向かう牛の行列を横目に、私たちはカンデルシュテークの駅に向かいます。山々の岩肌に囲まれた谷間の駅は、列車が到着しない限りは静寂そのもの。裏山に放牧されている牛のカウベルだけが、軽やかに響いていました。

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 IC特急は、カンデルシュテークを発車すると、輪を描くように勾配を上り、レッチェン谷の峠を越えると、ツェルマットに行くBVZ鉄道の中継駅、ブリュックに到着。ここからミラノまでは、イタリア・スイス両国鉄共同運行の、高速特急チザルピーノに乗車です。
 ジュネーブ発のチザルピーノは、このブリックで合流して、イタリア方面に入りますが、ソフィア・ローレンに似た女声アナウンスは、ますますイタリアの雰囲気を盛り上げます。また、カーブでも車体を傾け、速度を落とさずに走れる車体傾斜気構装置を備えており、山間のカーブもハイスピードで快走。乗り心地もとても静かです。
 全長約20kmのシンプロントンネルを抜けると、もうイタリア入国。あの、ヘミングウェイ『武器よさらば』の舞台、美しいマジョーレ湖を左に眺めながら、約2時間でミラノに到着です。
 昨年もベネチアに行くとき、このチザルピーノに乗ったのですが、ミラノ駅到着が定刻より1時間も遅れ、乗り継ぎや、それ以後の行動が、かなり狂ってしまいました。イタリアの列車時間は、遅れて当たり前で、余裕ある乗り継ぎ時間が必要です。今回は乗り継ぎ時間を2時間ほど確保。万が一、定時に到着した場合は、ミラノのミニ観光を計画していました。
 幸いにも、みなさんの行いが良いのか、チザルピーノはミラノへ定刻到着。即タクシーを飛ばして、ドーモやプラダを散策、忙しいながらもミラノの雰囲気を堪能し、予定どおり、フィレンツェ行きの列車に間に合いました。

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 イタリアの経済、そしてファッションの中心地ミラノ。鉄道の玄関であるミラノ中央駅で、歴史ある大アーチドームの下に立つと、構内はまるで大市場のようです。多くの列車が並ぶ前に、土産品店や、ファーストフード、化粧品ほか、あらゆる店が連なっており、そこに行き交う旅客や働く人々のざわめきに、これが本当のイタリアなんだと実感します。
 フィレンツェまでは、イタリアの誇る新幹線ETR500イーエススターに乗車。フェラーリのスポーツカーをも手掛けるピニンファリーナのデザインは、大変なお洒落であると同時に迫力があります。色使いも斬新なイタリアンデザインで、真っ赤な厚みあるシートにゆったりと寛ぐと、車内サービスのドリンクを片手に、イタリアの農村風景を眺めながら、列車はフィレンツェに向けて南下します。

パート12につづく

投稿者:にわあつし
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2007年10月04日 23:30に投稿されたエントリーのページです。

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