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2007年12月 アーカイブ

2007年12月01日

観光地トイレの向上について6

●解決策は
一、 これまで述べてきたように観光客誘致には地域ぐるみの取り組みが必要であり、行政や観光施設、業者などだけが携われば良いというものではない。事例で紹介したように、地元商店街や市民団体、ボランテアなどによる協力体制が必要で、これに取り組んでいる観光地のトイレは良い印象を受けている。
二、落書防止や破壊防止等に安心・安全街づくりとして地域ぐるみで取り組んでいる。
三、ピーク時対策や男女比対策にも取り組んでいる。
四、様々なトイレのタイプ(処理方法)にも積極的に取り組んでいる。例えば、浄化槽方式、浄化循環式、コンポスト処理(バイオトイレ)、焼却式、土壌処理、汲み取り、また災害時トイレで活躍する仮設トイレなどである。
五、重要な財源であるが現在のところ我が国では、環境省、国土交通省、経済産業省、財務省、総務省それぞれが縦割りで、各々トイレの重要性は認識しつつもその域を出てはいない。大幅な予算化にはほど遠い。
 したがって各々の観光地で好事例を参考にしながらも、地域にあった方法を知恵を出しあわなければ解決しないし、トイレの向上は図れない。自分たちの問題として資金を出したり、スポンサーを得るか、有料チップ制を導入するか、商店や個人までもトイレを提供するか(改装や増設資金の補助を行政に働きかける)、広告トイレの導入を図る、また山岳地では登山客に排泄物を持ち帰って貰う、等々である。

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靖国神社のトイレ(狭い和式で高齢になった遺族会には気の毒)

●おわりに
 観光地でのトイレ問題がクローズアップされた原点は、19世紀末、エッフェル塔の完成にあわせたパリ万博と言われる。フランスは国の威信をかけてトイレの改善を図り、世界に先駆けて下水道処理を行った。我が国でも1970年の大阪万博、その後の沖縄、つくば、大阪花博、愛知万博と続き多くの外国人観光客受け入れを機に、ユニバーサルデザイン化とメンテナンスの向上が図られてきた。この流れは都市型観光地を中心としてトイレの改善が急ピッチで進み、世界でも有数のトイレ先進国となっている。
 背景には日本人の綺麗好きもさることながら、電力事情、豊富な水資源、良質なトイレットペーパー、メーカーによる設備の研究開発、などがあげられる。一方で地方の観光地トイレの問題は、観光立国を宣言し、2010年に外国人観光客1000万人誘致や、国内では団塊の世代による旅行の増加見込みに対して、やや立ち遅れていることは否めない。早急に観光地トイレの充実を図るべき時にきていると思われる。
 地方から東京への修学旅行といえば、本郷、上野界隈の旅館であったが、今の子どもたちは洋式で水洗、乙姫でなければ用を足せないから、ディズニーランド周辺のホテルや設備の整ったホテルに宿泊するのだという。逆に本郷の旅館では多少の改善をして、低料金と日本の風情を求める外国人観光客に人気があるという。いずれにしても観光立国宣言は観光地トイレの整備抜きには考え難い。時間も限られている、早急に官民一体となった取り組みが期待されるところである。

おしまい
投稿者:菊地正浩
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2007年12月02日

『風林火山』第48回「いざ、川中島」

今回の『風林火山』は川中島の一騎討ちなど熱演シーンが多数とれたため、49回で終わるドラマが1回増えて50回になったそうです。実はこれ9月下旬に発表されたのですが、今頃気づいてどーする。このあとも菊地会員の投稿が控えていますので、こちらはあっさりと。
 勘助の養女になって6年以上待たされたリツさん。ついに高坂昌信と結婚するようです。しかし、これから出陣のときに「エイエイオー」はないでしょうに。で、勘助が四郎勝頼を連れて川中島に出陣する前に諏訪の小坂観音院にある由布姫の墓参りに出かけます。ここでなぜか由布姫の亡霊が出て「勘助なりませぬ」と一言。これで勘助は勝頼の初陣を1年遅らせることにします。しかし、側近の秋山信友なかなかかっこいいですな。本題からはずれますが岩村城攻めをドラマでやってほしいものです。
 さていよいよクライマックスの川中島ですが、両軍はずっと対峙したままで、なんと上杉政虎は兵18000のうち5000を善光寺に残して、海津城の南西の妻女山に陣取るという奇策に出て、信玄軍も茶臼山から海津城に入ってさらに対峙します。海津城は当時は珍しい平城で、あまり防御に向いていないように見えてしまうのですが、穴城と呼ばれる小諸城も設計した勘助です。やはり攻めるは難しの仕掛けがあったのでしょう。
 軍議がすすむなか、原美濃守の生存が確認されます。おふくという怪しげな老婆に助けられたが、とにかくがめつい婆さんです。ここでムカデ油が出てきました。ムカデをゴマ油にひたしておくと毒素を出してこれが止血や皮膚病などに効能があるとか。昔ながらの民間療法ですが、よくWEB上でも紹介されているように、これがよく効くとか。昔の古い家はムカデが天井から落ちてきてパニックに陥ったこともありましたが、今思えば貴重な薬源だったんですね。ということであと2回川中島の戦いが続きます。本当に1回分延ばす熱演が撮れたのでしょうか。またそれは見てのお楽しみということで。
 史跡紀行では海津城と妻女山を紹介しました。妻女山は直接行ったことないのですが、松代城は行きました。ちょうど長野電鉄松代駅に無料のレンタサイクルがあって典厩寺などにも足を延ばすこともできて便利でした。もっとも現在の松代(海津)城の復元は、真田家が藩主となってからものですが。松代駅はなかなか味のある駅舎ですが、僕が昨年行ったときは「スタンプ無し」といわれました。情報では有るとなっていますし、観光地なのですからスタンプはないと困るのですが……。

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投稿者:管理人
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2007年12月03日

「はんなり」Hannari Geisha Modern

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京都の歴史と文化の象徴、花街。伝統文化の継承に魂を注ぐ芸妓と舞妓、これを支える多くの人々。「おもてなしの心」と美の世界を追求する日本の伝統文化が、ハリウッドから日本へ逆輸入され反響を呼んでいる。

●「はんなり」とは
京都で華やかさを表わす「はななり」という言葉から「はんなり」というタイトルにしたという。およそ1200年前に、都が「京都」に置かれた。以来様々な文化を創造し、今なお多くの伝統文化が世界に発信されている。昔、北野天満宮(京都市上京区、祭神は菅原道真)へ参詣に訪れた人々を、お茶で「おもてなし」したことから始まったとされる。お茶屋は、やがて酒席のおもてなしへと変わり、花街が形成されていった。京都の花街とは、先斗町(ぽんとちょう)、祇園東(ぎおんひがし)、祇園甲部(ぎおんこうぶ)、宮川町(みやがわちょう)、上七軒(かみしちけん)、島原(しまばら)の6カ所にあり、今も昔ながらの街並みや文化が息づいている。この花街のシンボル的存在が、芸妓と舞妓さんたちなのである。職人達の匠の技で作られた、着物、帯、扇子、小物類等々、最高級の伝統工芸品で身を包み、約300年以上経った今でも、日夜修業を積み重ね、美しい舞等の伝統芸能や作法、言葉づかいを「心の美」として演じ発信している。

●「はんなり」の意味するところ
 我が国は観光立国を宣言、2010年には外国人観光客1000万人招致を目標としている。緑豊かな自然観光資源と、数多くの歴史と伝統文化を発信し、広く世界からの観光客招致をめざすことにしたのである。その意味でも京都の歴史と文化は、我が国の観光資源として貴重なものと言えよう。なかでも、花街文化は春の都おどりをはじめ、四季を通しての景観と華やかさがあり、外国人観光客ならずとも、日本人でも一度は触れてみたい世界といえよう。これまでも多くの人達が取材すべくカメラを持ち込もうとして来たが、「一見のお客さんお断り」と同様、やんわりとその扉を閉められてきた。これまで「フジヤマ・ゲイシャ」に関するマスコミ報道や映画はかなりあったが、決して本当の姿が描写され紹介されていたわけではない。花街としてはむしろ沈黙を守ってきたのである。
 先頃話題を呼んだ中国人女優による「さゆり」などは、典型的な誤った芸妓像といえよう。今回の製作者であり監督曰く「本物の芸妓、舞妓は常に芸事に精進し、はっと息をのむほどに美しく、まさに生きる芸術である。日本女性独特の凛とした中に、薫る、思いやりある優しい心遣い、その美しさを支える伝統芸能や伝統工芸の匠の技が一体となっている」、と語っている。この「はんなり」こそ芸妓・舞妓の美の世界を追及する貴重なドキュメンタリーと言えるであろう。2006年9月に行われたジェトロ主催のシャパン・パビリオンでの出展で絶賛され、2008年春から全米で上映されることになった。これに先だち11月23日六本木ヒルズ49で上映記念イベント、特別試写会が行われた。これから順次全国各地で紹介されていく。全米で上映のあかつきには、大きな反響を呼ぶことであろう。

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●製作者・監督のプロフィール
 曾原三友起、サクラプロダクションUSA代表で今回プロデュ-サ-、監督、脚本の三役をこなす。ロサンゼルス在住、SAG米国俳優組合に所属。宮崎県都城市出身、幼少の頃よりバレエ、ダンスを学びミュ-ジカル俳優をめざしていたが、18歳の時に膝の怪我で断念。日本のイベント会社、局アナウンサ-、FM、DJなど経験、1999年に渡米。現在、制作プロダクション及び劇団を主宰しながらハリウッド映画制作現場などに於いて、日本文化のアドバイス、コ-ディネ-ト、映画やイベント、舞台のプロデュ-ス、脚本、演出などを手掛け、二児の母でもあるス-パ-ウ-マン。今回、ハリウッドの日本人女性監督として、日本に帰り自らが芸妓を体験、その強い熱意についに花街も動かされた。そして、京都の全花街が協力するという世界初の快挙を成し遂げ、この貴重なドキュメンタリ-映画は作られたのである。そして、見る者に感動を与え、伝統文化継承に一石を投じることとなろう。

日本での上映  12月2日(日)~14日(金)
        渋谷アップリンクX(03-6825-5503)
        当日券1500円 学生1200円 シニア1000円
        前売り1200円 和服での来場者当日券1000円
        他、京都シネマ、宮崎キネマ、都城ウエルネス交流プラザ他
        問合せ http://www.hannari.info

投稿者:菊地正浩
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2007年12月04日

2007年度後期セミナー

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 12月1日(土)14時より、江戸東京博物館学習室2で2007年度後期セミナーが行われました。セミナー参加者は33名。本日の講師は旅ジャーナリスト会議代表で、『ブルーガイドパック』で旅行書の全盛を築いた元実業之日本社常務の森田芳夫氏。主題は『旅行主義』第4号にもありました「旅行書の今日と明日」です。伝説のカリスマ編集者の講義が聴けるチャンスは大変少ないのでもっと多くの人に聞いてほしかったのですが、若い編集者だけでなく現役の出版関係者なども殺到し、1時間30分におよぶ森田氏の熱演に皆聞き入っている様子でした。

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 森田氏は謙虚な人柄で「楽隠居の思い」などと副題に謳っていましたが、カリスマ編集者を出版業界人が放っておくはずもありません(その一人が管理人)。当日、即売しました『懐かしい風景に出会うローカル線の旅』(人文社)で編集顧問をされているように、まだまだ森田氏は休めそうにもありません。やはり森田氏の時代ですごいと思ったのは、画一化されてしまった旅行書とは違う視点をもっていたことで、なかでも分かりやすい絵地図やパノラマ写真などを盛んに取り入れたことです。今回はセミナー参加者全員に教材の『旅行主義』第4号が配布されたばかりか、森田氏から飛騨の大パノラマ絵図、菊地正浩会員からマル秘DVD、稲葉修三郎会員から民宿「てっぽう」の栞などの豪華プレゼントもありました。

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 森田氏の熱演終了後は、特別ゲストの人気鉄道旅行作家てんきゅうさんでおなじみの松本典久氏に「鉄道旅行の楽しみ方」を語ってもらいました。昔と現在の写真を比較した路面電車や蒸気機関車などをスライドで紹介しながらの30分。懐かしい写真と少年時代に撮影したSLの写真、初志貫徹と申しましょうか。本当に趣味が特化して鉄道旅行作家になってしまったかのようです。

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 セミナー終了後、近くの「ちゃんこ江戸沢総本店」で懇親会を行いました。懇親会参加者は26名。2時間飲み放題のコースで大いに盛り上がり最後は皆さんで記念撮影をして、楽しい1日を終えました。とくに長年、森田氏編集の旅行書やてんきゅうさんの鉄道本などを愛読していた愛知県在住のドラえもん氏は感動の渦に巻き込まれていました。いま流行の鉄男くん、鉄子さんが知ったら歯ぎしりしてうらやましがったことでしょう。でも、まだチャンスがないわけでありません。今度とも当ブログをこまめにチェックしてくださいね。希望者が多ければまだまだアンコールも可能ですから。

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超豪華メンバーと記念撮影。左からカリスマ編集者森田芳夫氏、飛ぶ鳥落とすレイルマンフォトオフィスの山崎友也カメラマン、人気鉄道旅行作家てんきゅうさん、長年の愛読者ドラえもん(この体制がある限り出版界は不滅です!)

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2007年12月09日

『風林火山』第49回「死闘川中島」

 NHK大河ドラマは本来の最終回となる49回目を迎えました。本日は別の場所にいたのですが、20時の大河ドラマに間に合わせるため、JR・地下鉄と乗り継ぎ交通費を余分にかけてでも戻りました。もうここまでくれば執念です。まともに全部、大河ドラマを見たのは昨年の『功名が辻』に続いてでしょう。
 勘助がいわゆる「啄木鳥の戦法」を提案し、妻女山を挟み撃ちにしようとしたのを、政虎(謙信)が見破って信玄本陣と激突する第4次川中島の戦いは、勘助と政虎の軍師宇佐美定満の思惑が交錯したような描かれ方になりました。つまり勘助は霧の出る日が奇襲の日、宇佐美は糧食尽きて妻女山を降りる日となっていたようです。政虎の出番はほとんどありませんでした。もっと野生のカンを発揮してほしかったのですが。
 あの怪しげなおばばはあくまで中立を守ったようで残念です。あそこまでがめつい性格にするのならば、いっそのこと勘助の計画を売り込みに行き、政虎に斬られたほうがおもしろかったでしょうに。今回は信玄の弟信繁にスポットを当てた形となり、そういう意味で川中島の本戦を2回に分けたのは成功だったようです。まさに最後の打ち上げ花火といった形で、これまでの番組制作費をケチったぶん、大々的に戦いを演じています。
 川口素生先生の『山本勘助101の謎』(PHP文庫)にも書かれてありましたが、妻女山の迂回した際の武田方の物見や謙信の動きを探ろうとした密偵は、ことごとく上杉方に討ち取られたようで、上杉方のスパイの優秀さが浮き彫りにされます。それならもう少しその部分を描いてほしかったのですが。
 戦い前日に信玄は信繁と対面し、信繁に「法華経の陀羅尼」を与えます。信繁はこれを春日源之丞に命じて嫡男の信豊に届けさせ、自分は諸角虎定とともに討死するわけですが、板垣同様、槍で突かれても突かれても不死身のゾンビぶりを発揮しておりました。信繁は村上義清が討ち取った説もあるのだから、もっと義清の執念ぶりを描いてほしかった気もしますが……。
 あと内野勘助さん、特殊メイクばかりと思っていましたが、今回のために丸坊主にしたんですね。せっかくの男前を犠牲にして……役者魂に感じ入りました。かわい先生のブログにあった「ぶっちぎり」というのは、これを意味しているのでしょうか?(全然違ったりして……)

 史跡紀行では八幡原古戦場の史跡公園と信繁の墓がある典厩寺を紹介していました。八幡原は2年前に、典厩寺は昨年レンタサイクルで行ってきました。八幡原の史跡公園には長野市立博物館や佐久間象山の像があり、典厩寺には川中島合戦記念館があります。両者ともスタンプがありますので今回は長野市立博物館と典厩寺のスタンプをUPします。

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 さて、来週はいよいよ最終回です。一年間長いようで短かった『風林火山』のブログ最後までお付き合いください。

投稿者:管理人
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2007年12月14日

ヨーロッパ鉄道心の旅・クリスマス編1

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 ヨーロッパ鉄道心の旅は、ホットなクリスマス編です。世の中は今、クリスマス一色ですね。本場ヨーロッパの11月末頃から始まるクリスマスシーズンに合わせ、かねてから楽しみにしていた、フランス・TGV東ヨーロッパ線の高速営業運転世界一TGVに乗車。フランス・アルザス地方の中心都市で、クリスマス市で賑わうストラスブールと、ルネッサンス時代の木骨組みの町コルマールを訪ねました。

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 11月のヨーロッパは、日照時間が短かく、天候も不安定。朝の7時はまだ真っ暗闇です。日曜のせいか、パリ東駅に向かう地下鉄は、大変空いており、ゆったりと移動。新線開業とともに化粧直しされた東駅コンコースは、日本の都市の駅のように明るい照明はありません。1849年に開業し、150年の歴史と風格をもつ駅舎内は、最新の列車案内板や斬新な広告などのインテリアが自然に調和されており、ヨーロッパデザインのすばらしさを物語っています。
 乗車する7時24分発のシュツットガルト行きのTGVは、5番線ホームで発車時間を待っていました。30番線まである広い大ホームの列。そして私の乗るシュツットガルト行き10両編成のTGVは、多客時間帯なので、ストラスブール止まりの10両編成TGVが連結され、なんと20両もの長大編成です。列車案内の駅員に、チケットを見せて乗車。ステッブを上がり、予約してある1等車の指定席に座ります。

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 1等のシートは、グレーの配色のシート並びに、4席ほど薄いグリーンのシートが、不規則にアクセントを付けています。床のマットフロアーは、大理石模様を施す、とてもシックな内装。片側2列・1列の座席の、テーブルを照らすスポット照明や車内の照明も、大変柔らかく、落ち着かせてくれます。車内を仕切る壁は大胆な紫色。1等のシックな内装に比べ、2等は片側2列づつの席配置。紫色のシートの並びにオレンジ色のシートが不規則に配列された、大胆かつモダンな配色。何となくウキウキさせてくれる車内です。
 これら、東ヨーロッパ線TGVのインテリアデザインは、フランス・ファッションデザイナー、クリスチャンラクロアが担当したようで、もう一つの車両であるビュッフェは、カウンターやテーブルの色も紫。そしてビュッフェの名前が「すべてすばらしい」という、自信たっぷりの車内店名なのです。
 TGVは時刻どおりに、パリ東駅を発車。まだ暗い、パリ郊外の星を散りばめたような、周りの電灯の光の中を、速度を増して進みます。ストラスブールまで450㎞、2時間20分。速度320km/hの営業運転は世界一の速さです。日本の新幹線も、東海道では最高時速は270km/h。300km/hを出せる、500系やN700系も、最高速度を発揮できるのは、山陽新幹線の一部区間だけで、この東ヨーロッパ線TGVは、今や高速列車を走らせている国々の頂点にたっているのです。最高時速330km/hを誇るドイツICE-3も、この東ヨーロッパ線でパリに乗り入れ、320km/hの速度で運転しており、ドイツもフランス同様に、世界一になっています。車窓の景色が薄明るくなるなか、TGVはまっすぐに延びるシャンパーニュの田園地帯を、320km/hの速度で走り抜けて行きます。その感覚は旅客機が飛び上がる時に似て、音や振動は少ないものの、「早い!」の一言に尽きますね。
 景色の移り変わりが早く過ぎる割りに、静かな乗り心地に感動しているやいなや、TGVはもう高速線を降り、ストラスブールの町に近づいてきました。
パート2につづく

投稿者:にわあつし
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2007年12月16日

『風林火山』最終回「決戦川中島」

 1年間長いようで短かったNHK大河ドラマ『風林火山』も今回が最終回。
 いつもの45分でなく、56分という特別編にさすがの川中島合戦も時間延ばしに苦戦が見られます。いきなり脈絡もなく、三条夫人が於琴姫に会いに行き、「三人目です」と語っていたり、大井夫人や板垣・甘利が回想で出てきたりで時間稼ぎもいいところです。
 勘助は由布姫の亡霊が止めるにも聞かず、いきなり本陣に突進し、宇佐美と一騎討ち。宇佐美は「共倒れになる陣をひけ」といいますが、これは同じNHKの「その時歴史が動いた~川中島の戦い 引き分けの謎」(2006年7月18日放送)で、川中島の戦いは実はパフォーマンスで、合戦が偶発的に起こったという説を採用しているのでしょうか。で、一番肝心の謙信(政虎)と信玄の一騎討ちシーンはどっちらけ。馬上から三度斬りつけて信玄が受け止めた軍配に7つの刀傷が残った「三太刀七太刀」のシーンは、馬上からGackt政虎がアップで斬りつけるシーンだけで迫力も何もない。やはり馬で三度行ったり来たりのシーンでなければどうしようもないでしょう。おまけに信玄は顔に傷すら負っていないし、尻を槍で突かれた馬も血すら出ていない。
 で、肝心の勘助のほうは不死身のゾンビぶりを発揮するのはお約束ですが、刀で斬られても矢が刺さっても、鉄砲で撃たれてもなぜか血が出ません。これは鎌で斬られても相手から血が出ない大仁田劇場ですか? NHKが血を自粛したのかどうか分かりませんが、これでは迫力も半減するだけで、「終わり悪ければすべて悪し」のような結末となってしまいました。
 平蔵もいきなりどこから飛んできたか分からない矢に刺さり、しかもそこで死んだかと思えば再び蘇生して歩いている。あんたは顔に矢を受けても歩く『三国志』の麋芳ですか。そして伝兵衛が勘助の勘助の胴体を運び、太吉が勘助の首を取り戻してくる。胴体はともかく、いったい首はどうやって取り戻してきたのでしょうかねー。で、肝心の首は映らないくせに、信玄が「クビが笑っている」とか云ってるし、どうにかならんかね。そんなに気持ち悪いシーン見せたくないなら、もう戦国ドラマなんて止めなされといいたくなりました。
 で、「最後に生きて愛して散っていった」というナレーションがあり、ミツの声がしてです。ミツ役の貫地谷しほりさんのほうは現在朝の連ドラ『ちりとてちん』でヒロインを演じていますが、こちらも視聴率が苦戦していると聞きます。朝の連ドラなんて観ませんが、NHKの番組自体「冬の時代」を迎えているのでしょう。

 最終回の史跡紀行では、川中島にある山本勘助の墓や武田家終焉の地である山梨県甲州市の景徳院などを紹介。なんで史跡紀行で「武田家のその後」をあんなすっ飛ばし方で紹介するのか、よく分かりません。景徳院の最寄り甲斐大和駅は第31回で紹介しましたので、最後はJR信越本線の川中島駅で締めくくりましょう。ただし、駅名は川中島でも、古戦場(八幡原史跡公園)までは東へ4kmと遠く、当駅からはバスの便もありません。古戦場へのバスは長野駅からの発着です。こちらを利用しましょう(でもスタンプは押そう!)

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あとがきにかえて
 1年間愛読ありがとうございました。以上をもちましてNHK大河ドラマ『風林火山』のブログは終わりです。総集編は12月31日に風の巻(13:55~14:53)、 林の巻(15:00~15:58) 、火の巻(16:00~16:58) 、山の巻(17:00~17:58)の4部構成で行われますが、たぶん当日はタイムリーで見ることもないでしょう(ビデオで保存しようと思いますが……)。なお、1年分の『風林火山』はカテゴリーにて総集で読むことができます。
 最後にあと少しだけお付き合い願います。管理人がこのNHK大河ドラマの批評を当ブログで書こうと触発されたのは、先にあった橋場先生かわい先生をはじめとする歴史作家先生方のブログでした。途中から毎回トラックバックを貼らせていただいたのは、やはりドラマを観るにしてもそれぞれの感じ方は違うし、実際に歴史を研究されている先生方のコメントはいろいろと参考になったからです。ただ、このブログを書くにしても先にはじめたshugoroの日記は、土日に中央競馬の予想(全然当たらないので有名ですが……)をしているので、当旅じゃブログの開設と同時にスタートに至ったわけです。当初目標としました毎日更新は途中で挫折してしまったものの、この存在が最低週1の更新を維持できたのはいうまでもありません(ただしshugoroの日記のほうはずっと続いています)
 当社でも歴史紀行シリーズとして『宮本武蔵』『新選組』と連続して本を作ってきましたが、別のところからの嫌がらせもあって、このあとのNHK大河ドラマで歴史紀行シリーズが制作できなくなっておりました。そういう意味で2006年11月発行の『風林火山をゆく』(英知出版)は実に3年ぶりの制作に至ったわけです。1カ月後に重版の勢いをみせた同書ですが、その後2007年3月に肝心の版元が倒産の憂き目にあってしまい、1年間の販売実績の数字をみることなく終わってしまいました。大量に注文してくださった取材先の方々にも申し訳ない気持ちでいっぱいです。ただ、まだAmazonを見ると、まだ在庫は購入可能ですので、大河ドラマが終われば一気に客足も遠のき、本も処分されてしまうであろう同書を買うなら今がチャンスです。倒産した版元ということもあってプレミアがつくかもしれません。
 これで大河ドラマの史跡紀行シリーズも終わってしまうと思いましたが、幸いにも来年の大河ドラマ『篤姫』は新しいスポンサーの版元が見つかり、四條たか子先生の執筆で『天璋院篤姫と幕末を旅する』(一水社)が11月30日に発行となりました(詳細は後日ということで)。『風林火山』終了後、次の『篤姫』の一部紹介がありましたが、これも苦戦が予想される番組にしろ、また来年も他の歴史作家先生同様にコメントを描き続けられればと思います。
 すでに僕のほうは再来年のNHK大河ドラマ『天地人』に目が向いておりますが……。

投稿者:管理人
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2007年12月18日

ヨーロッパ鉄道心の旅・クリスマス編2

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 パリを出た世界最速TGVの旅も、美しいシャンパーニュの風景と、くつろぎの乗り心地に酔いしれているうちに、20両もの長編成列車はストラスブールのホームいっぱいに停車しました。ストラスブールは長い歴史の中で、フランスとドイツの国籍になんと5度も変わった町です。ヨーロッパの十字路と呼ばれるこの町の、歴史の深さが、重厚な駅舎の色に、染み込まれているようです。
 TGV新線開業に合わせ造られた、総ガラス張りの大ドームがこの駅舎を覆い被さり、近未来的な風貌を表しています。それにしても、歴史ある駅舎をそのまま残し、最新デザインと共有させるという、ヨーロッパの町造りには、感心させられますね。
 モミの木にクリスマスツリーを飾る発祥の町であるストラスブールは、クリスマス市が町のあちらこちらで開かれていて、クリスマスを楽しむ人々で賑わっています。長い夜が続くこの季節は、夕暮れになると町の目抜き通りや、建物の壁面に飾り付けられたクリスマスイルミネーションが輝き、いっそう華やかさを盛り上げています。日曜日のためか、たくさんの観光客が世界遺産に登録されている名所プチィットフランスの、木骨組みの建物が並ぶ美しい風景を散策しながら、イル川の河岸に沿って歩いて行きます。

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 夕暮れ時、私たちもこの人並みを追うようにして、スポットライトに照らされ聳え立つ、ノートルダム大聖堂まで歩きました。赤色の砂岩で260年の年月を架けて造られた高さ142mのゴシック様式の傑作です。大聖堂の周りには、ケーキや、チョコレート、ローソク類やオモチャ、人形など、クリスマスツリーのオーナメントなどを売る屋台がところ狭しと並び、本場クリスマスの賑わいを醸し出しています。特設のメリーゴーランドには、サンタ帽をかぶった子どもたちが、廻る光の中ではしゃぎまわります。また、チャップリンの真似をした道化師や、サンタクロース姿のおじさんも、広場に集う人々と、クリスマスの雰囲気を楽しんでいます。

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 時と共に鳴り響く、大聖堂の壮厳な鐘の音が、お祭りの賑わいに拍車を懸け、本場のクリスマスのムードが最高調に達します。頭上に、エンジェル模様のイルミネーションが輝く通りを、クレベール広場まで歩くと、高さ20mはあろうかという伝統のモミの木の、巨大ツリーのイルミネーションが、輝く星のように光っていました。ドイツとフランスの景色や文化遺産を持つ、古都ストラスブールは一度に二つの国の雰囲気を楽しめます。また、花が咲き、町が美しく飾られた季節と、クリスマスでイルミネーションで輝く時期の、二通りの町の顔がある、奥深い素敵な町ですね。
パート3につづく

投稿者:にわあつし
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2007年12月23日

『天璋院篤姫と幕末を旅する』

2007年NHK大河ドラマ『風林火山』が終わり、来年度の大河ドラマ『篤姫』は2008年1月6日から放映されます。さて、その放映前に予習しておきたいおすすめの本がコレです。

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『天璋院篤姫と幕末を旅する』(四條たか子著/一水社)
B5版 128P(4C96P・1C32P)ISBN978-4-87076-942-7
2007年11月発行。12月2刷。2008年度NHK大河ドラマ『篤姫』。今回は四條たか子先生に歴史紀行を書き下ろしてもらいました。第13代将軍徳川家定の正室として薩摩の島津家から嫁ぎ、激動の幕末を徳川家とともに生きた天璋院篤姫49年の生涯。本書では生誕の地の鹿児島から江戸、さらに幕末の舞台となった下田・横浜・京都などへエリアを拡大。篤姫や関連人物ゆかりの史跡からグルメ・おみやげ・沿線の記念スタンプまで旅の情報も充実しています。当会員の久芳勝也画伯の絵地図も必見です。

→詳細ページへ

購入

当ブログを管理しています当社ブルボンクリエイションが昨年の『風林火山をゆく』(英知出版)に引き続き、歴史紀行シリーズの制作に携わりました。放映前に読めば大河ドラマもより深く観賞することができるでしょう。

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2007年12月28日

ヨーロッパ鉄道心の旅・クリスマス編3

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 ルネッサンス時代、木骨造りの家並みが残る町コルマールは、アルザスワインの故郷でもあります。TGV東ヨーロッパ線開通により、パリから直通のTGVに乗ると、2時間50分で訪れることができる身近な町になりました。
 パリに住む友人が、フランスで訪れたい一番の町は? と訪ねた時に、即答したのが「コルマール」。私もいつか訪れたいと、憧れていました。ストラスブールから約30分の列車移動でコルマールに到着。駅前はホテルなど近代的な建物が並び、煉瓦色の時計塔のあるお洒落な駅舎だけが、歴史の町に訪れたことを印象づけています。めざす木骨組みの建物のある町並みは、ガイドブックに駅から歩いて15分ほどと記載。しかし、駅前を左折し、広い道路に沿って歩き、途中、クリスマス用のモミの木などの植木を売る露店商の並ぶ公園を眺めながら、それらしき町並みに着いたのは約30分後でした。

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「頭の家」という、変わった名の前の、ホテル兼用の建物の前に到着しました。目の前は木骨造りの家並みが続き、まるで中世の世界に迷い込んだ雰囲気です。クリスマス市の買物客や観光客などで、入り組む通りは大変な賑わい。ストラスブール同様に、たくさんのクリスマスオーナメントを売る屋台が連なり、広場にはミニ観覧車やメリーゴーランドが設けられ、子どもたちがはしゃぎまわっています。
 小雨がぱらつき、底冷えするので、屋台で名物のホットワインを飲み、温まりながらの散策。アルザスワインやチョコレートなど、お菓子を売る店が多く、甘い蜜のような香りと、華やかな飾り付けに、つい足を止め、店に引かれます。16世紀に建てられたというブフィスタの家の、木造りの格調ある出窓と、描かれた絵、ウロコ屋根が、歴史の深さを物語っています。軒先の店表示の凝った看板を眺め、石畳に足を一歩一歩踏み締めながら、奥深いメルヘンの町並にしばし感動。戦災に影響を受けず残された町、コルマールの美しさに、時の止まるのを感じた一日でした。後ろ髪を引かれる想いでコルマールをあとに、再びTGVで、イルミネーション華やかな、パリに帰りました。

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 シャンゼリーゼ、そして、パリの巨大デパートを覆い尽くす、イルミネーションの美しさ。肌で感じた、本場ヨーロッパのクリスマスの世界でした。
 来年も鉄道で巡る心の旅を、次々と計画しています。ヨーロッパの美しい、また、かわいい町を、列車で訪れていきます。乞うご期待ください。
2007年締

投稿者:にわあつし
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