スイス鉄道の雄・RhB(レイティッシュ鉄道)

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 森田先生のゴールデンパス旅行記を受け、スイスの私鉄RhB・レイティッシュ鉄道をご紹介します。RhBは私鉄王国スイスの中にあって最も規模が大きく、沿線にはダヴォス、サンモリッツなど国際的保養都市を有し、さらに「氷河急行」(FO・BVZと共同運行)「ベルニナ急行」などの人気の列車を有することから、レイルファンのみならず観光客にも人気の高い鉄道です。日本の旅行会社もこの2列車をツアーに組み込むことが多く、筆者が4年前にRhBを乗り歩いた際にも日本人ツアー客と乗り合わせることが多かったことが思い起こされます(さすがにローカル列車は地元民が多かったのですが)。
 RhBはスイス東部のグラウビュンデン州に主要4路線を有し、総延長は約415km。軌間は1000mmで、スイス国鉄(軌間1435mm)と比べると車輌もやや小振りな印象です。車輌は電気機関車が牽引も客車列車が主流(一部電車もあり)で、普通列車は終着駅での機関車の交換作業を省略するため、制御客車と呼ばれる車輌を連結しプッシュプル方式で運行しています。
 さて、「氷河急行」はサンモリッツ・ダヴォス・クールとマッターホルンの表玄関ツェルマットを約8時間かけて結ぶ列車で、その名の通り(最近は地球温暖化の影響からか後退はしているものの)車内から雪を戴いた山並みや青みがかった氷河の風景が楽しめることで知られています。また、牧草地の黄緑の斜面が延々と広がる様子もいかにもスイスという趣きです。さらに、スイス鉄道屈指の撮影ポイントであるランドヴァッサー橋の絶景も楽しめます。乗車するなら絶対に1等のパノラマ客車がお勧めなのですが、ハイシーズン(6~9月頃)は予約は困難を極めます(2等車でも、もちろん風景は十二分に楽しめますが)。また、この列車の食堂車で絶景を肴に味わうワイン(勾配対策のため底面が斜めになった特注ワイングラスが使われています)は最高の一語に尽きます。
 もう一つの人気列車「ベルニナ急行」は、クール・ラントクワルト・サンモリッツとティラノ(イタリア)を約2時間半~4時間で結ぶ列車で、こちらも氷河急行に負けず劣らずすばらしい風景が楽しめる列車です。車窓からは4000m級の山並みや氷河などに加え、青白く光るビアンコ湖など息を飲むほどの美しい風景が連続します。また、最大高低差が1800mを超えることから植生の変化が目まぐるしく、沿線の建物も(特にイタリア語圏に入ると)大きく変化していく様子が見て取れまったく退屈しません。
 一方、クールからアローサを結ぶアローサ線も他の路線と比べれば若干地味なイメージも無きにしもの感はありますが、それを補って余りある派な塗装の車輌が彩りを添えています。レイルファン的にはクール出発直後の併用軌道区間(路面電車のように道路上を走行する区間)が大きな見所ですが、沿線のシャレー風の駅舎や、鬱蒼とした森林もスイス気分を盛り上げます。
 ところで(異論もあるかもしれませんが)、RhBの東の幹線エンガディン線の沿線風景はどこか日本に似ているような気がします。畑地、小川、田舎道、小集落、木製の古い橋など日本的箱庭風景が続き、強い郷愁を感じたことがありました。
 RhBの沿線にはどこも整備されたハイキングコースが数多くあり、山歩きがお好きな方にもぜひ訪れることをお勧めします。
レイティッシュ鉄道の公式ホームページ http://www.rhb.ch/
投稿者:小関秀彦
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