天空の旅  by 荒木 啓幸

NO IMAGE

 今回は空ではなく天空のお話。但し、平成24年5月20日現在のお話です。

 

 所はアラブ首長国連邦ドバイにある世界一の高層ビル、ということは宇宙に一番近い建物と言うことになります。その名はBurj Khalifa(バージ・カリファ)、アブダビ首長(アラブ首長国連邦大統領)の名前がビルの名前になっています。

 

Burj Khalifa(バージ・カリファ)

 

 

 富裕族の代表のように言われたドバイ首長国も一時はバブルがはじけ、このビルも建設が放棄されそうになりました。そのとき、アラブ首長国連邦の威信にかけて完成させようと巨額を支援したのがアブダビ首長国でした。その富を象徴するような代物が展望台にあります。

 それは金の自動販売機(もちろんSUISSE 999.9と刻印された本物です)。一番安いもので2.5gのインゴットがこの日の相場で約1万8千円。一番高いもので1ozのクルーガーが約15万7千円でした。

金の自動販売機

 バージ・カリファの高さは828メートル、フロアで言うと200階建て、124階に展望台があります。エレベーターに乗りわずか1分、展望台に到着し下を見渡しましたが、あまりの高さに高所恐怖症の私が不思議と平静で居られました。この時期、気温は40度を超え暑さのあまり空気が濁り景色は期待できません。真下には近未来的なホテルやショッピングモールが建ち並び観光客を引き付けますがすぐ裏手はもう砂漠の雰囲気になります。さすがにラクダは歩いていませんが。これらの建物を見ていると砂漠の中に無理に作られた虚楼という感が否めませんでした。

124階の展望台から

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、冒頭、これは5月20日のお話とお断りしたのは、この124階の展望台の高さは442メートルの所にあり宇宙に一番近い展望台だったのです。しかし、その2日後の5月22日に東京スカイツリーがオープし、地上450メートルの展望台に世界一の座を譲ることになりました。

( 2012年6月19日 寄稿 )