妙見ケーブル、リフト乗り歩き② by 増井 隆之

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全便でご報告した通り、昨年10月末のある日、午前中に甲山、摩耶でケーブル、ロープウエイ巡りを終えて阪急電車で川西能勢口駅に向かいました。私は索道(ケーブルカー)を除く一般営業鉄道路線は乗り潰ししていますが、ケーブルカーとなると六甲山のケーブルカーも含め、なお4ヵ所のケーブルカーに乗っていませんでした。残りの一つが妙見ケーブルカーです。

川西能勢口駅で、阪急電車乗り放題+能勢電鉄+妙見ケーブルカー+妙見リフト+阪急バスの指定区間が乗り放題の「能勢妙見・里山ぐるっとパス」を1500円で求めました。

能勢電鉄の車両は阪急電鉄で使われていた車両ばかりで、その大半の車歴はどれも約半世紀前のものです。しかしシート等は綺麗に手入れされていて、50年近くも昔から使われている車両とはとても思えません。

川西能勢口駅から約30分、13時ちょっと前に終点妙見口駅に到着しましたが、平日とあって妙見ケーブルカー乗り場に向かうバス便は無く、約20分かけて歩きました。日頃歩かない私には、荷物を持ちながらの登り坂はキツく、改めて体力作りの必要性を感じつつ向かいました。

妙見ケーブルカー乗り場

 

1枚目の写真の妙見ケーブルカー乗り場の情景です。ふと切符売場を見上げたら、団体割引料金表と並んで定期券の表示があったのです! 後で知りましたが、これにはこのケーブルカーの歴史に理由があったのです。この写真に写っている妙見ケーブルカーの車両は昭和35年製ですが、最初にこの地にケーブルカーができたのは、なんと、大正14年(1925年)とのこと。

やがて太平洋戦争末期の昭和19年に休止し、昭和35年にようやく復活をしました。リフトで上がった先にある参道には、戦前に沢山の民家があり、定期券設定がされて今に至っているとのことでした。

妙見ケーブルカーを終点、山上駅で降り駅前に立ってその先を見渡すと、歩くにはとてもキツく見える道が延びていてビックリしました。実は今の終点の先に、戦前までなお「上層(じょうそう)」と呼ばれるケーブルカーがあり、その名残を坂道でした。現在その先にリフトが設置されています。昭和35年に妙見ケーブルカーは復活したものの、「上層」線は復活しなかったのです。

 

妙見ケーブルカー山頂

 

2枚目の写真で示すよう、妙見ケーブルカー山頂駅から先の歩道で約10分歩くと、3枚目の写真のようなリフト乗り場に着きます。昔はこの場所もケーブルカーが走っていたと思うとちょっと悲しくなります。リフトは約10分で終わりますが、その先には能勢妙見山と言う寺院があり、参拝者はそちらに向かいます。私はリフトに乗りたかっただけでしたのですぐ下りました。

リフト

 

ここまで来ると、私がまだ乗った事の無いケーブルカーは、京阪男山ケーブルカーだけになりました。しかし乗った事はあるものの漠然とまわって、写真撮影をしていない立山黒部アルペンルート(特にダムからの放流時期の写真)や、京都の鞍馬寺のケーブルカーへはもう一度きちんと行って撮影もしたいと思っています。

 

( 2013年2月23日 寄稿 )