蘇った観光地トイレ「道の駅よつくら港」  by 菊地 正浩

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福島県の「いわき七浜」に数えられる浜の一つには漁港、四倉港と、県内有数の浜として知られ海水浴場がある。大地震と津波に加え、東京電力福島第一原発の事故により、子の浜一帯も例外なく大きな打撃を被った。

それまで筆者は浜通りを訪れるたびに、この要衝地四倉港に寄り、「道の駅よつくら港」でトイレ休憩をしてシーフードを楽しんだ。

常磐道を北へ仙台方面、南へは水戸方面へ向かう要衝地にあって、利用者も仕事に観光に多く人気の道の駅であった。そこには綺麗な「観光地トイレ」が設置されており、訪れる人々を癒していた。

東日本大震災後に訪れたときは、あまりの変りように呆然となった。破壊されトイレの代わりに仮設トイレが置かれ、道の駅もテント式の仮設店舗になっていた。「がんばれ東北」の垂れ幕や凧が掲げられ、強い印象を受けた。隣地では復興のため新しい道の駅を建設中であったが、漁港は復興には程遠い船の残骸とガレキの山であった。

破壊されたトイレと仮設トイレ

 

ガレキが山積みの四倉漁港

建設中の道の駅

 

 

あれから2年、夏前に訪れてみると道の駅が立派に再建され、土産物売場も充実し新しい姿に生まれかわっていた。「観光地トイレ」も綺麗は修復され、仮設トイレは撤去されている。

レストランもまた斬新なデザインに変わり、トイレも様変わりして申し分ない。メニューはさらに豊富になり、訪れる観光客を楽しませている。中でも人気は海の幸を使った「シーフード釜飯」である。釜飯を食べながら窓から海の方へ目をやると、漁港はいまだ復興半ばであるという姿である。

2103年の夏、震災後はじめて海水浴場がオープンした。いわき市では勿来海水浴場についで、2か所目である。福島原発の放射能は一応心配ないとされてのオープンである。

漁港は水揚げが少なくなったもののかつての賑わいを取り戻したようだ。ガレキは撤去され、放射能の心配もなく海水浴客が戻る日を待ち望んでいる。

真夏になれば「道の駅よつくら港」は、きっと観光客で賑わったことだろう。立派なトイレも以前にもまして、その役割を果たしたことであろう。

綺麗になったレストラン

人気のシーフード釜飯

充実したトイレ

 

綺麗になった観光地トイレ

障害者用トイレ

復興半ばの漁港

 

 

( 2013年12月22日 寄稿 )