アーカイブズ心の旅2 - 南仏 ”プロヴァンス” - by にわ あつし
- 2012.08.02
- ヨーロッパ鉄道旅日記(NW)
「ミストラル」
フランス国鉄が世界に誇った豪華列車。列車名の由来は「南仏・プロヴァンス地方に吹く風」。パリ~ニース間1088㎞を9時間10分、平均120k/hで走った。
オール一等の車内は、オープンとコンパートメントの座席車を始め、フルコースディナーを提供する食堂車、ブティックの付いたバー、それに理髪室などが設けられ、それらのすべてがとても上品に仕上げられていた。
私もこのミストラル号に3度乗車する機会があった。まるでヒッピーのような格好での鉄道一人旅。リッチな紳士淑女ばかりの列車内に少し緊張はしたが、列車内に流れる軽音楽に癒されながら、紺碧の地中海を眺め過ごした最高の列車旅であった。そして2度目は、新幹線の運転士仲間と鉄道旅の途中、ニースからカンヌまでの30㎞の区間、旅メンバー16人中の私含め6人、ミストラル号の運転士の好意により、牽引するCC6500形機関車の運転台での旅を楽しんだ思い出がある。
このとき私が他の旅メンバーに連絡せずに、また、全員のチケットも所持したままで運転台に乗車したため、車内のメンバーは車内検札の時に車掌に説明できず、下車後に旅メンバーから大変なお叱りを貰ってしまった。
現在はミストラル号に変わり、TGVが主役路線だが、ニースを訪れるたびに思い浮かぶ、私の旅の記憶である。
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