『篤姫』関連、50回にわたる小出氏の健筆を讃える

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 NHKの『篤姫』の放映が昨日終わり、その人気は近年稀に見る視聴率に現れているという。また内容も主演の演技力が伴ってとみに充実していると、夏頃から新聞のTV欄でもしばしば報じられてきた。ビデオリサーチの調べでは最終回の視聴率は28.7%。30%の大台にはついにのらなかったものの、平均視聴率は24.5%となり、過去10年で最高記録となった(「オリコン」)。
 この一年間、TV放映に合わせて「旅じゃ」のブログに50回にわたり『篤姫』を執筆し続けたのが、わが会の若手、小出文彦氏である。その特異な「持続力」に改めて敬意を表したい。
 彼の意図は決してTV番組の解説ではなく、文章に土地を象徴する風景スタンプや、写真など、変化にとんだビジュアルな素材を添えて、まず舞台背景である「土地」をクローズアップし、筋書きに従って変わるそれぞれの地で活躍する人物像を描き出すと言う、一種の「地誌文学」に近い手法を駆使してる。土地の歴史と現在の表情を、人物像を通して読む楽しさは万人に共通するものであろう。
 
 ときには3~4日過ぎてしまい、改めてブログを開けてみると、文脈が通じないということもあったが、前の日付けをクリックすると全文が現れるというのも、ブログの強みである。それほど執筆の間隔は短く、密接していた。
 小出氏はこのブログの執筆を始める前、TV放映に先立って『篤姫』に特化したムックを自ら編集していたのだからその薀蓄は、他の編集者が及ぶところではない。
 来年の放映は『天地人』であることは広く知られているが、すでに氏はムック『天地人』の編集を終え、先月発刊して一カ月も経たないうちに2刷を記録するなど、その編集手腕は実証されている。
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  2009年、新年早々から始まる『旅じゃ』に登場する氏の執筆になる『天地人』のテキストと、写真などビジュアルな素材が楽しみである。このブログを通して、「地誌文学」の骨格がさらに顕わになり、その分野の先駆者となるであろう小出氏の活躍に一層期待したい。
投稿者:森田芳夫
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