手漉き和紙の里(1)~西の内紙1  by 菊地 正浩

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 茨城県の旧那珂郡山方町(やまがたまち)は旧常陸国北部にあり、古くから文化の開けた町で、山方遺跡や多くの歴史と伝統文化が息づいている。八溝(やみぞ)山地と久慈(くじ)山地に挟まれ、中央部を清流久慈川が縦断する水と緑と鮎の里である。
 町名は中世の山方氏の居城があったことに由来するといわれる。北部は河岸段丘でこんにゃく栽培や和牛飼育、南部は沖積低地で米とタバコ栽培が盛ん、近世は水戸藩領となった。関東と陸奥(むつ)国(大部分は現青森県と岩手県の一部)を結ぶ南郷(なんごう)街道の宿場町、また久慈川と那珂川を結ぶ水運の河岸町として栄えた。
 そのなかでも西野内地区は手漉き和紙の西の内紙の産地として有名である。
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 今でこそ水戸から福島県郡山までJR水郡線が通っているが、昔は南郷街道を往来する途中の田舎であった。昭和30年(1955)、諸富野(もろとの)、世喜(せき)、下小川、塩田の四村と合併。2004年、平成の大合併で大宮町、御前山村、美和村、緒川村と合併して常陸大宮市となる。
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常陸大宮市歴史民俗資料館山方館と辰之口分江全図の原本
常陸大宮市歴史民俗資料館山方館
●JR水郡線山方宿駅から徒歩3分。入館無料。9時~16時30分。 月曜、 祝祭日、毎月末休。Tel 0295-57-2616
パート2(明日につづく)

( 2009年1月30日 寄稿 )