会員・山田べにこさんのテレビ出演に思う
- 2009.03.26
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代表森田芳夫氏の寄稿につき本日急遽UPします(管理人)。
およそテレビではニュースかドキュメントしか見ない私は、「大爆笑」とか「スゴイ女たち」などという新聞の番組表を見ると、スポーツ新聞のバランスを失した大活字の見出しを連想してしまい、見たいという気が起こらない。
しかし3月23日放映の「ア然! 仰天! 大爆笑日本全国スゴイ女たち ○秘人生大公開」(テレビ東京)に、山田べにこさんが出演するという知らせを「旅じゃ.Com」で知り、チャンネルをあわせた。山田さんは「旅ジャーナリスト会議」の新しい会員であり、しかもこの分野では珍しい女流温泉研究家である。
番組にラーメンの味を求めて各地をめぐる三十代の女性やら何人か女性が登場したが、山田さんの「温泉を究める努力」というようなものが、ひときわ異彩を放っていたと見たのは私だけではないだろう。
最も心に残る場面は、スノータイヤを自分で付け替えて雪道を走り、さらに道の途絶えたところから歩いて雪に埋もれた無人の温泉に向かう様子だった。その先で、凍りついて逆立ってしまった髪の毛を撫でながら、同行の女性タレントと雪降る露天風呂に浸かる。そこで彼女がタレントに語りかけた言葉、「自然の中の温泉で、自然のままで楽しめていいじゃない?」はさらに印象に残った。
私と同じように、着飾ってスタジオに並ぶ「ゲスト」たちも強い印象を受けた様子で、ほかの「スゴイ女」方とはまったく違うコメントが聞かれた。
「寝袋で車に泊まるあの努力はなんだろう」、「まるで『おしん』だ」という感嘆の声や「ナビ無しで北海道から鹿児島まで、女性がよく走れるな」という男性の声。中には「温泉には単純泉と言うものがあるが友達に『あいつは単純泉』と言ってやることがある」とギャグにもならないコメントがあり、これは不愉快だった。
もし「温泉研究」にプロというものがあるとすれば、山田さんはアマチュアの心でプロを越えようとしているのではないか。その心と女性の視点をもって、貪欲に湯に浸かり、記録しながら、眼に見えない境界線を越えようと努力を重ねているのではないか。
すでに2000を越す日本の温泉をマイカーで訪ねた記録は、山田さんのweb「べにこのおふろたび」で公開されている。
投稿者:森田芳夫
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