手漉き和紙の里(7)~消えた鷲(とり)ノ子紙~2 by 菊地 正浩
- 2009.05.07
- 手漉き和紙の里(KK)
●観光振興を図る茨城県常陸大宮市・栃木県那珂川町
平成の大合併によりそれぞれが大きな町となった。水戸から郡山へはJR水郡線と国道118号線。国道293号線は太平洋から常陸太田市を通り那珂町から宇都宮方面へと貫いている。かつての手漉き和紙の里もほとんどが姿を消し、新しい観光産業を生んでいる。
JR水郡線の常陸大宮駅から郡山方面へ一つ目に玉川村駅(写真左)がある。「関東の駅百選」に選ばれた田舎の駅である。さらにここから国道293号を北西に行くと緒川村役場(現・緒川支所)の水準点がある。東京湾の平均水準を0として、千代田区永田町にある日本水準原点標庫が24.4140mと定められている。この緒川支所の水準点は80.505mと表示されているので、久慈川の支流に囲まれた低い土地かと思うと、まあまあ標高の高いことがわかる。
道の駅みわの北斗星定食1000円
和紙の里美和村まで行くと、道の駅みわ「北斗星」ができた。ここは星が綺麗に見える地域なので、天井に星空が描かれているトイレ「満天トイレ」がある。観光地トイレとしては満点のランクに入るであろう。
県境にある鷲子山上神社を通り過ぎると栃木県に入り、那珂町の馬頭である。馬頭とは水戸光圀が馬頭観音を訪れつけたとされる。奈良時代には砂金産地で「ゆりがねの里」と言われた。馬頭郷土資料館や広重美術館なども整備されている。道の駅ばとうには那珂川町観光センターも設置されている。
だが何といっても馬頭温泉郷の存在であろう。温泉宿が15~6軒ほどあるが、町営の「ゆりがねの湯」が良い。「ゆりがね」とは砂金のことで、砂金の含まれた土砂を水洗いしながら、ゆり動かすことから生まれた。眼下に那珂川の清流が一望でき、泉質も良い。町営だから入浴600円と手頃だが、70歳以上は半額としている。この馬頭を抜けると、小川、喜連川、那須と温泉郷が続いている。
●那珂川町馬頭郷土資料館
栃木県那須郡那珂川町馬頭116-5/JR烏山線烏山駅からバス、馬頭町役場前下車徒歩4分
入館無料/9~17時/祝祭日、月曜、第3日曜休/0287-92-1103
●馬頭温泉郷「ゆりがねの湯」
栃木県那須郡那珂川町小口1671-1
10~21時/月曜(祝日の場合は翌日)休/0287-92-3023
( 2009年5月7日 寄稿 )
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