佐野市と出流原(いずるはら)湧水1  by 菊地 正弘

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佐野市は栃木県南西部、渡良瀬川の北岸に位置し、市域の大部分は秋山川、旗川の谷が開けたところに形成されている。ここの歴史は古く、『万葉集』の中で詠われた「安蘇(あそ)の河原」とは秋山川の河原である。江戸時代は日光例弊使(れいへいし)街道の宿場町、市場町として栄え天明宿と呼ばれていた。

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古くから佐野綿縮(ちぢみ)(写真上)の産地として有名であるが、近年は色々な織物を生産している。最近でこそ佐野ラーメンで知れわたっているが、近世では足尾銅山の鉱毒事件で有名となった。昭和18年(1943)佐野、犬伏(いぬぶし)、堀米の3町、植野、界(さかい)、旗川の3村が合併。同30年吾妻村、赤見町を編入、2005・2平成の大合併で田沼町、葛生(くずう)町を合併して今日に至った。

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歴史がいっぱいの佐野市郷土博物館

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回廊の白い列柱が印象的でモダンなデザインの建物は、日本建築学会賞を受賞した。出流原遺跡や八幡山古墳から出土した考古資料、中世の天明鋳物、宿場風景、村絵図、古文書、綿縮などの産業、足尾鉱毒事件で活躍した田中正造の特別展示室など見どころの多い博物館である。

 

佐野市郷土博物館の案内

JR・東武佐野駅から徒歩20分/入館無料(ただし企画展開催中は210円)/9~17時/月曜(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日、毎月末日休館/0283-22-5111

http://www.city.sano.lg.jp/city-museum/index.htm

5月30日につづく

( 2012年5月28日 寄稿 )