『天地人』第31回「愛の花戦(はないくさ)」

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「花戦」とは、いかにも朝鮮出兵を煙にまいたようななんともほのぼのとしたネーミングですが、これは実がなる、ならない、つまり子ができる、できないの別の意味合いもあったんでしょう。
 北政所が活けた「ヒメサユリ」を淀が越後から大量に取り寄せ、希少価値を台無しにしたというエピソードは『絵本太閤記』に出てくる佐々成政の逸話から採用したものでしょう。成政が北政所に珍花として献上したクロユリを、淀が知って白山で大量に採取し、無造作に活けたため、成政は北政所の怒りをかい切腹させられる。もっともこれ自体、かなりマユツバものですがね。しかし、なんとなく北政所が鶴松を殺したようなニュアンスが伝わってきて少々不気味でした。
 結局、秀吉の朝鮮出兵は愛児鶴松の死が発端になったような描かれ方になっていました。肥前名護屋へ淀が同行するというのも変な話。結局、「愛」を唱える兼続が朝鮮出兵を止めさせようとするが、三成は「国の礎を固める」などとおかしなこと云っているし、なんともちぐはくな展開でした。
 景勝・兼続主従は一年余り肥前名護屋に在陣し渡海することになりますが、秀吉の母大政所の死はスルーされてしまったようで、いつの間にか淀が懐妊しています。秀吉が名護屋在陣中にできたことにしたかったのでしょうか。今回は本当にホームドラマの戦国版『大奥』のノリでしたね。
 史跡紀行では、淀ゆかりの京都市伏見区の妙教寺と淀古城址石碑および東山区の養源院などが紹介されました。淀殿が住んだ淀城は京都競馬場の最寄駅である京阪淀駅の北西に残る淀城とは別の場所で、現在残る城跡よりさらに1キロ北にあったようです。妙教寺は2003年に訪問したことがあるのですが、このときは慌しく取材したため、淀古城址の石碑を撮り損ねてしまいました。養源院のほうは未訪ですので、写真はありません。今回は妙教寺山門と京阪淀駅のスタンプをUPします。
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投稿者:管理人
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