北海道の動物たち(第3回オオワシとオジロワシ)

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オオワシ…タカ目タカ科ウミワシ属。全長90~100㎝で、翼開長200~250㎝、体重4~9㎏に達する。日本に生息するワシタカ類の中では最大で、天然記念物に指定されている。肩と尾羽が白く、大きくて黄色い口ばしが特徴。
オジロワシ…タカ目タカ科ウミワシ属。全長約80cm、翼開長約200㎝、オオワシよりもひと回り小さめ。オオワシと外見は似ているが尾羽だけが白いところが特徴で名前の由来でもある。
 冬の知床を旅していると時々彼らと出会う。木の上から私たちを睥睨していたり、流氷の上でカラスと餌の取り合いをしていたりと、様々な姿を見せてくれる。しかし写真を撮るとなるとなかなか難しい。まず個体数が少ない。エゾシカのように道端で待っていてくれるようなことにはならないからだ。そして遠くにいるから望遠レンズを付けていても小さくしか写らないし、また腕の未熟さゆえに飛んでいる姿を撮るのはほぼ不可能に近い。それでも羅臼港の岸壁にいたオオワシが羽ばたく一瞬を撮ることができたのは奇跡といってもいい。
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 彼らの個体数の減少もまた人間の愚かな行為のせいだ。ハンターが射殺したエゾシカを山野に放置するようになったことで、その死体をオオワシやオジロワシなどの猛禽類が餌とする。すると鉛の銃弾を一緒に食べてしまって鉛中毒を起こしてしまうのだ。北海道はエゾシカ猟に鉛弾の使用を禁止しているが、十分な効果は挙がっていないという。政府が保護増殖事業計画を進めていても、人間の意識が変わらなければ野生動物の保護は成功するものではないと思う。
第4回ゴマフアザラシ(8月11日)につづく
投稿者:渡邊恵美子
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