手漉き和紙の里(KK)

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手漉き和紙の里(19)~復活された海老根(えびね)和紙2~  by 菊地 正浩

  • 2009.08.15

●安積歴史博物館  旧士族が入植した桑野といわれるこの地区は教育水準も高く、明治22年(1889)に福島県立尋常小学校(現在の安積高校)が設立された。欧州の建築を模したルネッサンス式洋風建築を見て、村の人たちは桑野御殿ができたと驚き喜んだという。  現在は国の重要文化財に指定され、安積歴史資料館として多くの貴重な資料が展示されている。ここから多くの学者、科学者や文化人が輩出されたが、教壇に立つ傍ら和紙についての著書を残した東野辺薫(本名野辺慎一/1902~62)は、二本松市に生まれ少年時代を上川崎村で過ごした。安積中学を卒業、早稲田大学を卒業して教壇に立ちながら、小説や戯曲を発表した。なかでも […]

手漉き和紙の里(19)~復活された海老根(えびね)和紙1~  by 菊地 正浩

  • 2009.08.13

海老根手漉き和紙の集落  郡山(こおりやま)は安積(あさか)と呼ばれていた。地名は古代安積郡の軍衙(ぐんが)(軍務を取扱う役所)があったことに由来するが、戦国期に入って郡山と呼ばれるようになった。大正13年(1924)、郡山町と小原田(こはらだ)村が合併して市制となる。昭和29年(1954)、富田村の一部、同30年、三春町と高瀬、巌江(いわえ)2村の一部と大槻町を編入。同40年、安積、日和田、富久山(ふくやま)、熱海(あたみ)、田村の5町、三穂田(みほだ)、逢瀬(おうせ)、片平(かたひら)、喜久田(きくた)、湖南(こなん)の5村を合併、中田、西田の2村を編入して現在に至る。  この中田村海老根 […]

手漉き和紙の里(18)~消える? 柳津(やないづ)和紙~  by 菊地 正浩

  • 2009.08.08

JR只見線会津柳津駅とSL ●風光明媚な奥会津にある柳津   福島県河沼(かわぬま)郡柳津町は県西部に位置し、奥会津の会津坂下町(ばんげまち)の先にある。只見川と只見線(会津若松~小出)に沼田街道(新潟県柏崎に抜ける現R252)が並行している。会津坂下(ばんげ)と呼ぶが、会津坂本(さかもと)と呼ぶなど紛らわしい。柳津の町名は船の発着所に3本の大ヤナギがあったことからと言われる。昭和30年(1955)に柳津町と西山村が合併して誕生した。北部を只見川が山地を深く刻んで貫流し滝谷川に沿う。南部は那須火山帯に属する博士(はかせ)山(1482m)に連なる山間地で、典型的な豪雪寒冷地帯で耕地に乏しい。早く […]

手漉き和紙の里(17)~立ち上げた駿河柚野(ゆの)紙~  by 菊地 正浩

  • 2009.08.01

旧柚野村役場と二階の柚野資料館  静岡県(駿河国)富士郡芝川町。県の中東部、富士川沿岸の町で北西は天子岳(1330m)を境に山梨県、東は富士宮市、南は静岡市清水区に囲まれている。富士川の支流芝川などの河谷(かこく)部に集落があり、山地が80%を占めている。昭和31年(1956)、芝富村と内房村が合併して富原村となり、同32年柚野村と合併して芝川町となった。富士郡にはたった一つの町で、平成の大合併にも参加しないで現在に至っている。 芝川の清流とポットポール(甌穴)  歴史の面影は旧柚野村役場の二階にある柚野資料館にわずかながら残されている。この柚野を流れる芝川には、ポットポール(甌穴(おうけつ) […]

手漉き和紙の里(16)~紙祖神(しそじん)川上御前を祀る岡太(おかもと)神社と越前和紙~  by 菊地 正浩

  • 2009.07.25

  越前かわだの湧水 式年大祭のポスター  福井県越前国今立郡岡本村(旧今立町、現・越前市大滝町)は、県中部武生(たけふ)盆地南東部の山沿いの町である。旧町名は古代以来の郡名であった。昭和30年(1955)に粟田部(あわたべ)町と南中山村が合併して粟田部町となった。あわたべは男大迹皇子(おおとのおうじ)(26代継体天皇)の名に由来している。昭和31年(1956)粟田部町が今立町と改称し、その翌日に岡本村を編入した。南部地域は紙漉きの里五箇(新在家、定友、不老、岩本という集落)があり、それぞれに神社がある。町の中には5本の川が流れ合流し九頭竜(くずりゅう)川となって日本海へ流れる。  ●紙祖神岡 […]

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