鉄道の旅(YM/TG)

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保存すべき長野電鉄旧屋代線 松代駅舎とレール  by 多賀 泰彦

  • 2012.05.10

     4月1日長野電鉄の旧屋代線松代駅に出かけてみた。晴天下にある駅舎は静まり返り、前日の「廃線パーティ」とは打って変わって、寂しい情景が待っていた。あたり前だが、駅員の姿はなく、何かあきらめきれないのか鉄道ファンのグループやら、地元のであろうか親子が、ひっそりとしたホームやレールをぶらりと散策していた。警報機も鳴らず、赤信号だけがついた線路は、廃線の現実を突きつけるには十分だった。旧駅前広場には、時たま長電屋代線代替え路線バスである長電バスが停まり、数人の客が乗り降りしていく。    観光松代には、やはりこの駅が必要だと思う。遠くから電車利用で訪れた観光客は […]

長野電鉄屋代線「最後」の日 ――路線継続の道はなかったのか――  by 多賀 泰彦

  • 2012.05.05

     雨の中、しなの鉄道屋代駅からみる長野電鉄屋代線のホームは鉄道ファンでいっぱいだった。      「記念」のグッズや記念キップを買う人、ホームに入ってくる電車の車両をカメラで撮影する人、2012年3月31日限りで廃線となる鉄道を惜しんで集まった人たちだった。この3月31日には須坂行きの臨時列車も運行され、筆者も12時50分発の臨時に乗り込んだ。満員状態の車内からみる車窓風景はどこかのどかで、乗客も車窓の外を食い入るように見ている。  屋代線は、しなの鉄道が、JRよりさらに昔、国鉄線時代に上野駅から屋代線に乗り入れ、急行「志賀」が運行されていた。筆者も利用し […]

十和田観光電鉄と長野電鉄屋代線の廃線を考える  by 多賀泰彦

  • 2012.04.26

 2012年3月31日に二つの私鉄線が廃線に追い込まれる。少し硬い話になるが、その推移を見てみよう。  一つは東北の十和田観光電鉄で、全線(三沢駅~十和田市駅14.7km)が廃線になる。十和田湖や奥入瀬(おいらせ)渓流観光の入口としても利用された私鉄だが、東北新幹線の八戸~新青森間の開通により、七戸十和田(しちのへとわだ)駅が開業し、三沢駅経由の観光客などの乗客が減ったことと、悲しいことだが、東日本大震災による観光客の減少がその理由だという。    もう一つは、信州の長野電鉄屋代線(屋代駅~須坂駅24.4km)である。長野電鉄の場合も乗客減による赤字がその原因だという。この長野電鉄屋 […]