旅のごはん 宮城県気仙沼市大島【休暇村気仙沼大島】 by 多賀 泰彦
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新鮮な魚介の料理を味わい
翌日は大震災の被害と復興の状況をガイドしてくれる宿
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気仙沼の沖合すぐに大島がある。この島にある「休暇村気仙沼大島」に、夏の一日泊ってみた。大島は、3.11の東日本大震災の地震と大津波の被害を受け、特に気仙沼湾岸からの火が大島の山火事を引き起こし、その様子を伝えるTV の画像は忘れられないものだった。

大島は人口約3200人で、大震災のため、全壊家屋が769軒、死者・不明者31名という大きな被害を受けていた。
訪れた国民休暇村は山腹にあり、大津波の被害はなかった。すでに観光客が訪れて宿泊しており、ひとりで泊まった筆者の夜のごはんは「和会席」プラン。その中心は、もちろん気仙沼港で水揚げされた新鮮な魚の刺身だ。他に鍋物あり、焼魚あり、煮物ありと被災地で、こんな贅沢な夕ごはんが味わえると思っていなかっただけに、大感激だった。

地元大島も、今夏「小田の浜海水浴場」を再開し、ホタテ養殖筏体験・牡蠣養殖筏体験などのイベント企画も復活しているという。
翌日チェックアウト後、宿泊客の希望者に休暇村のスタッフがマイクロバスで、亀山山頂(標高235m)に案内し、3.11の状況や、復興の現況について案内してくれた。

大島と対岸の気仙沼市街の被害状況が分かり、改めて津波の恐ろしさを確認できた。大島の田中浜付近に残る瓦礫の山と対照的に、山火事にもめげず見事に緑を復活した亀山の森が慰めともなった。


【休暇村気仙沼大島】
TEL0226-28-2626 http://www.qkamura.or.jp/kesen/
〒988-0603 宮城県気仙沼市外畑16
1泊2食付き8500円から(和会席プランの場合)。他にネット限定プランなどあり。
交通:気仙沼港エースポートからフェリー25分(400円)で浦の浜。 浦の浜から宿舎までの送迎は事前に電話のこと。
( 2012年8月26日寄稿 )