地歴と旅(KK)

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甦れ!童謡の郷 広野原(福島県)  by  菊地 正浩

  • 2012.06.15

     今は山中 今は浜 今は鉄橋 渡るぞと 思うまもなく トンネルの  やみを通って 広野原                                                     -文部省唱歌「汽車」1‐  明治・大正・昭和にわたる懐かしい尋常小学校唱歌「汽車」、その舞台は福島県双葉郡広野町である。現在いわき市の北隣に位置する火力発電所のある町だ。    歴史も古く縄文、弥生、古墳群などがある。大化2年(646)陸奥国が置かれ、養老2年(718)石城国が分割されて誕生した。浜街道には10駅家が置かれ、広野も宿駅として栄えた。まもなく石城国は廃され、弘仁2年(811)に駅家 […]

小さな日本の”パナマ運河”  by 菊地 正浩

  • 2012.06.07

「小名木川の扇橋閘門(こうもん)(ロックゲート)」 ●小名木川(江戸時代は小奈木川)という運河  隅田川の清洲橋付近、芭蕉庵史跡と旧中川の中川大橋付近を結ぶ小名木川は、下町の東西を流れている。隅田川~中川~江戸川を結ぶ江戸舟運の名残りの一つである。幕府は浦安の塩を運ぶために造ったが、その後、年貢米、味噌、醤油、木材、石材等々の生活資材物資を、江戸府内に運ぶための重要な運河となった。隅田川に出た船は幕府が造った日本橋川に入り、河岸の倉庫へと向かった。  この小名木川には幾筋もの人工の堀川が流れている。横十間川は代表的な堀川で、小名木川と交差する江東区猿江2、扇橋3、北砂1、大島1の場所は、4地区 […]

佐野市と出流原(いずるはら)湧水2  by 菊地 正浩

  • 2012.05.30

● 出流原弁天池湧水と赤見温泉 ●  池は県指定天然記念物で「名水百選」指定である。古生層の石灰岩を溶解してできた洞穴か湧出する清水によって作られる。年間を通じて一日2400㎥、水温は16度に保たれている。    磯山の山腹には鮮やかな赤色の弁財天、ふもとには数千尾の錦鯉が泳ぐ澄み切った弁天池。この池から湧出した水は養魚場、公園などに利用している。佐野市が直接管理をし、清掃などは観光協会が主体となって行っている。     湧水を利用した赤見温泉郷はリピーターも多い。昔は近くにいると水の湧く音で話し声も聞こえないほどであったという。石灰岩を溶解した癖のない水は、単純冷鉱泉の湯でさらっとして気持ち […]

佐野市と出流原(いずるはら)湧水1  by 菊地 正弘

  • 2012.05.28

佐野市は栃木県南西部、渡良瀬川の北岸に位置し、市域の大部分は秋山川、旗川の谷が開けたところに形成されている。ここの歴史は古く、『万葉集』の中で詠われた「安蘇(あそ)の河原」とは秋山川の河原である。江戸時代は日光例弊使(れいへいし)街道の宿場町、市場町として栄え天明宿と呼ばれていた。 古くから佐野綿縮(ちぢみ)(写真上)の産地として有名であるが、近年は色々な織物を生産している。最近でこそ佐野ラーメンで知れわたっているが、近世では足尾銅山の鉱毒事件で有名となった。昭和18年(1943)佐野、犬伏(いぬぶし)、堀米の3町、植野、界(さかい)、旗川の3村が合併。同30年吾妻村、赤見町を編入、2005・ […]

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