メイン

にわあつし2009 アーカイブ

2009年01月15日

富士と富士

fuji1.jpg fuji2.jpg

明けましておめでとうございます。
 年の初めはブルートレイン「富士」第2弾です。気温0度、窓を開けると雲一つなく、透き通るほどに澄んだ空気と青い空。富士の山も美しい姿を見せました。急いでカメラ片手に、富士に向かって走るブルトレ「富士」を撮影に、家を飛び出しました。あと3カ月で東海道から消えゆく富士号は、ゆっくりとした速度で霊峰富士に向かって走って行きました。

asagiri.jpg

 春は鮮やかな桜が舞台を飾る場所(写真は特急あさぎり)です。今年のその頃は、二つの「富士」が顔を逢わせることができるでしょうか? 2009年1月11日撮影

投稿者:にわあつし
【人気blogランキングへ】

2009年02月23日

富士山

mt-fuji1.jpg

 いま、富士山は雪化粧ののりが一番綺麗な時期ですね。白い雪がキリッと、宝永山から横一線に襟を着け、大変美しい顔をしています。澄んだ青空に聳える姿を見ると、まるで心が洗われるようです。

mt-fuji3.jpg mt-fuji4.jpg

 こんな日には、富士川の土手では、この美しい富士山と新幹線を撮影しようと、多くの鉄道ファンの方が朝早くからカメラを構えています。春一番が吹いた快晴の日に、雄大に聳えていた富士山の姿、四景です。

mt-fuji2.jpg

投稿者:にわあつし
【人気blogランキングへ】

2009年04月25日

故郷心の旅「秋葉街道を旅する」1

akibajinja.jpg

 静岡県の主要交通路には、東西に延びる東海道、そして北に延び、山梨県に抜ける甲州街道と長野県に抜ける秋葉街道があります。秋葉街道は長野県飯田と静岡・遠州を結ぶ総延長220㎞余の道で、遠信古道とも呼ばれ、また、太平洋の海で採れた塩が、この道を通って信州に運ばれたことから「塩の道」とも呼ばれていました。
 街道の途中、秋葉山にある秋葉神社が、江戸時代になって、火伏せの神としての信仰が盛んになると、やがて“秋葉街道”と呼ばれて親しまれるようになりました。春爛漫の穏やかな日、東海道の雑踏を逃れるようにして、国道152号線「秋葉街道」を一路、長野県飯田をめざしてひた走ります。
 天竜二俣の町からは、深い山間を縫うように、天竜川に沿って進んで行きます。快適なドライブの途中、船明ダム湖を過ぎ、秋葉トンネルを抜けると、右側に大銀杏を印す二つの大石塔が現れました。石塔の間を抜け、朱色のアーチ橋を渡って9㎞奥に入ると、そこには火祭りで名高い秋葉神社があります。
 大井橋の交差点からは天竜川と離れ、車は山間部に入って行きます。離合しにくいワインディングロードが続き、のんびりペースのドライブで風情を楽しみながら走るなか、走り馴れた地元のおばさんドライバーの車が、猛スピードで我が車を追い越していくのには、度肝を抜かれます。

shironishieki.jpg

 相月地区に入ると、JR飯田線が道路に沿って続きます。城西の駅前では、近所のおばあさんが、清掃作業を行っていました。1時間に1本あるかないかの単線駅。これはたいそうのどかな光景です。

sjibashi1.jpg sjibashi2.jpg

 城西駅近くには、鉄道ファン注目のフォトスポットが・・・。第六水窪川橋梁、別名「S字橋」と呼ばれ、中央構造線断層の地殻変動で予定していたトンネルが崩壊。水窪川の上を橋で迂回させた、いわくつきの鉄橋です。

koinobori.jpg

 春空に気持ちよく泳ぐ鯉のぼりの下を、ゴトンゴトンとゆっくりとした音を響かせながら走って行くローカル列車。スローな時間のなか、人と自然が調和した日本の原風景に、心癒されるひとときでありました。
5月12日につづく

投稿者:にわあつし
【人気blogランキングへ】

2009年05月12日

故郷心の旅「秋葉街道を旅する」2

misakuboshionomichi.jpg togegoenomichi.jpg

 静岡県の北の端、指折りの豪雪地帯でもある水窪の町は、ちょうど桜が満開。町の細い商店の通りには、縄文時代の昔からつながっていたという信州と太平洋を結ぶ「塩の道」の表示が、歴史の舞台を物語っておりました。
 地図を見れば、水窪を離れると青崩峠[標高1082m]を越えて、信州・遠山郷に抜けるルートになっているのですが、青崩の名の如く、たいへん崩れやすい地質層で、昔から秋葉街道の難所。現在、峠越えの道路はできておらず、将来は三遠南信高速道になるという部分的に整備された草木トンネルを抜け、峠を迂回。長野県との境であるヒョー越峠を越え、信州遠山郷に到着しました。

toyamagawasakura.jpg

 遠山の金さんの故郷とは違いますが、遠山川の堤防沿いは約2.5㎞、70本程はあろう桜並木が見事な花を咲かせており、散り際には、金さんに負けぬ桜吹雪が舞うことでしょう。遠山郷「飯田市上村・南信濃村」は、南アルプスの麓・遠山谷に開けた村で、町では「日本の原風景が残る山の里」として観光案内を行っています。その案内の中に、日本のチロル「下栗の里」の紹介があり、上村から看板に従って急坂道を登って行きました。

shimogurinomura2.jpg shimogurinomura1.jpg

 約20mほど坂を登り詰めると視界が開け、南アルプスの白い山々が目の前に拡がります。標高千メートル前後の山の急斜面を切り開き、耕地や民家が点在する風景は、アルプスの山々とともに美しい絵のようなロケーションです。澄んだ空気の中で、爽やかな時を与えてもらい、やがて村をあとにします。日本のチロル、下栗の里の印象は? といえば失言かもしれませんが、チロルと言うよりは、南アルプスシェルパの村? と感じつつ、遠山郷をあとにしたのでした。

5月16日につづく

投稿者:にわあつし
【人気blogランキングへ】

2009年05月16日

故郷心の旅「秋葉街道を旅する」3

shinrintetsudo.jpg

 遠山郷の秋葉街道沿いドライブインの入口には、“梨元停車場”と書かれ、薄緑と空色に塗られたディーゼル機関車と客車がひっそりと置かれていました。昭和15年(1940)から30余年間、約30㎞の区間で木材を山々から運搬した遠山森林鉄道の車両で、歴史を語り継ぐ遺産として展示されています。じっと貨車を見つめていると、南アルプスの山合いで木材を切り出す樵の声や、ゴトゴトと音を響かせて走って来る樵列車の情景が浮かんできます。

minamialpus.jpg ujinorinosakura.jpg

 秋葉街道152号線も、この先の地蔵峠は車道がないため、再び迂回することになります。将来の三遠南信自動車道になる矢筈トンネルを抜けて、飯田市内へと向かいました。途中の喬木村では、廃校跡の土手に満開の枝垂桜が色鮮やかに咲き、木の下では村の人々がお花見を楽しんでいます。明治6年(1873)に開校を記念して植えられたという樹齢130余年の「うじのりの桜」(写真右)は、先に消え去った学びの歴史を深く刻みながら、今日も春爛漫の姿を見せていました。

takatozakura1.jpg

 その後、渓谷沿いの曲がりくねった道を走り抜け、飯田市街中央高速を経由、伊那・高遠に向かいます。最終目的地である高遠城祉公園のタカトウコヒガンサクラは五分咲きではありましたが、快晴の空の下「天下第一の桜」にふさわしい見事な輝きを見せていました。

takatozakura3.jpg takatozakura2.jpg

おしまい

投稿者:にわあつし
【人気blogランキングへ】

2009年05月21日

2009ヨーロッパ鉄道心の旅1

celle.jpg

北ドイツの真珠と言われる、エリカ街道の美しい木骨組みの町「ツェレ」に来ています。クレヨンで塗りたくったようなカラフルな家並みが町を埋め尽くし、おもちゃ箱の中に入り込んだみたい! この洋服屋の建物である「ホッペナーハウス」は、とくに大きく見事です。通りのカフェでは、器から溢れるほどに盛られたパフェーを食べている人が多いのに驚いています。
5/10 ツェレにて

投稿者:にわあつし
【人気blogランキングへ】


緊急NEWS!
紀行作家の伊佐九三四郎会員25日(月)午前1~2時、NHKラジオ第一放送に出演します。
〔列島インタビュー〕タイトルは『幻の人車鉄道』です。
深夜便ですが、ぜひお聴き逃しのなきよう。

2009年05月30日

2009ヨーロッパ鉄道心の旅2

fjord.jpg

5/14[木]ナショナル・ジオグラフィック誌で「世界一の観光地」に選ばれた、ノルゥエー、最長・最深のソグネフィヨルドです。
絶景を走るフロム鉄道を乗り継いで、険しくもすばらしい風景が続くフィヨルドに感動の連続です。そして、緑多き自然の中に町が作られているノルゥエーの国に魅せられています。

つづく

投稿者:にわあつし
【人気blogランキングへ】

2009年06月06日

2009ヨーロッパ鉄道心の旅3

hallstatt.jpg

世界遺産である湖畔の美しい村オーストリア・ハルシュタットです。船着場の前のホテルは化粧直しの最中で、クレーンがすばらしい撮影スポットに陰をさしていました。端から端まで歩いても15分もかからない小さな村ですが、それぞれの家のたたずまいは、個性ある飾り付けがされ、軒先の路地を歩いていると、その趣の深さに目を奪われ、しばし時を忘れてしまう美しい村です。

つづく

投稿者:にわあつし
【人気blogランキングへ】

緊急NEWS!
鉄道写真家でレイルマンフォトオフィス代表の山﨑友也会員写真展「レイルロマン~光とともに~」が6月4日(木)~6月10日(水)(10~19時、日曜休館)までキャノンギャラリー銀座で開催中です。
詳しくはこちらこちら

2009年06月13日

2009ヨーロッパ鉄道心の旅4

pilatus.jpg

勾配48度の世界一急勾配のピラタス登山電車は、まるで天に上がるように、標高2432mの魔の山の頂めざして登っていきます。ラックレールの刻む音が、見渡すアイガーなどベルナーオーバーランドの白いアルプスの山々に響きわたっていました。

つづく

投稿者:にわあつし
【人気blogランキングへ】

2009年07月04日

2009ヨーロッパ鉄道旅日記1

マスク騒ぎ

ungatokankosen.jpg

 4月から5月初めにかけてのオランダは、列車の車窓から、絨毯を敷詰めたような果てしなく広がるチューリップの畑を眺められる。この美しい景色を見たく、5月7日「にわツァー鉄道旅」は最初の地アムステルダムに向かう。
 豚インフルエンザ流行で成田からマスク顔だったメンバーも、スキポール空港に降り立ちと早々にマスクをはずす。マスクをしているとなぜかヨーロッパでは「危ない人?」に見られやすい。
 昨年の冬、クリスマスで賑わうパリで、風邪気味のメンバーのひとりが、メトロ内でおもむろにマスクをしたところ、いっせいに周りのお客からの異様な視線を浴びたことがあった。マスクは日本で戦前、公衆衛生の改善のために学校の児童にマスク着用をすすめたのが習慣になったようだが、ヨーロッパでマスクは医療や工事関係者が使う物で、それに、マスク=強盗とか、大重病人などとか、すごく危険な人物に思われることもあるみたいだ。一般に外でマスクをする習慣はなく、文化の違いをまざまざと体験させられる。

amsterdam-central-sta.jpg amsterdam-newtram.jpg

 スキポール空港鉄道駅からは、黄色に紺色配色の、オランダ国鉄カラー2階建て国内線IC列車で約20分、アムステルダム中央駅に到着。1889年完成の、歴史と伝統ある赤レンガ造りの中央駅の前は、市電やバスが引っきりなしに発着して、オランダ表玄関の賑わいを見せている。東京駅丸ノ内側はこの駅を参考に造られたようで、歴史展開の早い東京駅前も、当時は都電が発着して、昔のままのこのアムステルダム中央駅に似たの雰囲気であったであろう。目まぐるしく往来する市電の音に負けないくらいにトランクを引く音を響かせながら、我グループ11人は、駅近くの宿、アベニューホテルに到着。

annehouse.jpg annezo.jpg

『アンネの日記』で知られる第2次大戦の悲劇の舞台となったアンネの隠れ家は、閉館の19時間際でも観光客が列をつくっている。以前訪れた時は、アンネ家族の隠れ部屋すべて当時のままを見せてくれたのだが、遺産保存のためか、いたるところがガラスで覆われていた。
つづく

投稿者:にわあつし
【人気blogランキングへ】

2009年07月11日

2009ヨーロッパ鉄道旅日記2

cheesesisyoku.jpg cheeseshop.jpg

アルクマールのチーズ市

 オランダ滞在2日目は金曜日にあたり、念願のアルクマールのチーズ市を訪れる。朝10時からワープ広場で行われるチーズの市は、17世紀から続く伝統ある町のイベントだ。到着したアルクマール駅構内では、美人の駅職員がチーズの試食サービスを振る舞い、チーズイベントをアピールしている。
 降り立つ観光客の流れに続き、我々もいざワープ広場へ! 広場には、農家から運ばれた直径30センチはあろう大きなエダムチーズが並び、多くの観光客が広場の周りを囲む。

cheesebijin1.jpg cheesebijin2.jpg

 気持ちよい快晴のなか、まだかまだか? とカメラのファインダーを見ながら、イベントが始まるのを待っていると、民族衣装でガイドブックを販売するアルクマールの美人が、突然我レンズの焦点に立ち止まり、「写して下さい!」とセールス笑顔である。
 チーズ市のイベントも楽しかったが、チーズ美人の視線が重く心に刺さったアルクマールであった。

cheesecaryyer.jpg

つづく

投稿者:にわあつし
【人気blogランキングへ】

2009年07月16日

2009ヨーロッパ鉄道旅日記3

zaanseschans1.jpg

風車とチューリップ
 オランダの風車観光といえば、世界遺産に登録されたキンデルダイクの風車群と風車の村ザーンセ・スカンスが有名で、鉄道でかけ巡る我々にとっては、移動上便利なザーンセ・スカンス観光を選ぶ。

norakurostyle.jpg zaanseschans2.jpg

 アルクマールから鉄道で約30分、コーグ・ザーンダイクの駅で下車、閑静な町並を10分程歩き広い運河を渡し舟で渡ると、ザーン・スカンスの村に到着する。運河沿いには風車がまわり、チーズや木靴などオランダ伝統の工房もあり、のんびりとしたオランダの風情を楽しめる。オランダを含めヨーロッパの国々は、歴史的景観や歴史遺産をそのままに残す事をモットーにしているので、この美しいザーン・スカンスの村も、観光地というよりは、昔からある一般的な農村風景であるから羨ましい限りだ。

keukenhof1.jpg keukenhof2.jpg

 オランダで期待していた、絨毯を敷き詰めたようなチューリップ畑の風景は、もう花を摘みとった後で車窓から眺められず、チューリップ観光の目玉であるキューケンホフ公園に向かう。オランダが世界に誇るこの公園は、今が花のシーズン真っ盛り。園内は、3500種のチューリップが見事な花を咲かせている。

keukenhof3.jpg

 牛一頭、羊一群れと売り買いされた時代があったという幻の花・黒いチューリップは、「クイーン・オブ・ザ・ナイト」と呼ばれ、一際目立って輝いていた。

つづく

投稿者:にわあつし
【人気blogランキングへ】

2009年07月23日

2009ヨーロッパ鉄道旅日記4

amsterdam-central-sta2.jpg

ツェレへ

 夜のアムステルダムは異様な程に活気に満ち溢れていた。政府公認「飾り窓地帯」で、光り輝く下着姿で踊りながら、手招きをする娼婦達の姿に、我「飾り窓ツァー」参加者の皆さん、興奮覚めやらぬままに、鉄道旅のスタートとなった。

untendaiusiro.jpg spring-railway-tracks.jpg

 約7500Kにおよぶ鉄道旅のスタートは、アムステルダム中央駅乗り入れのドイツICE国際高速列車バーゼル行から。指定座席は運転台すぐ後ろに設けられた一等車で、なんと時速300K/Hのパノラマが展望できる客席だ。黒革シート張りの、ドイツ車らしい少し固めの座席に落ち着くと、大聖堂のある町ケルンをめざした。ドイツに入りエメリッヒを過ぎる頃、ICEは徐行運転を繰り返し走る。アクシデント発生だ! 
 車掌が寄って来て、「ケルン駅前で大規模なデモがあり、この列車はケルンを迂回するため、あなたたちは手前の駅デュツセルドルフで降りて下さい!」。縦横無尽に線路が張り巡らされているドイツ国鉄の路線もすばらしいが、それ以上に、乗客の安全を第一に考えながら、路線を変えて列車を走らせる連絡網には頭が下がる思いだ。

celle-form.jpg celle-sta.jpg

 急遽、デュツセルドルフでベルリン行ICEに乗り換えると、北ドイツ・ツェレに向かった。緑の牧草地帯と鮮やかな春爛漫の菜の花畑が、パッチワークのように車窓いっぱいに広がり、そして流れて行く。ハノーバーで列車を乗り換え20分、エリカ街道木骨組みの町ツェレに到着した。

celle-town.jpg

つづく

投稿者:にわあつし
【人気blogランキングへ】

2009年07月30日

2009ヨーロッパ鉄道旅日記5

celle-town2.jpg celle-town3.jpg

ツェレへ

 エリカ街道とは、大変ロマンチックな名前の道である。ハンブルグ近郊に多く咲く紫色の「エリカの花」の名を付けたこの街道は、ハンブルグを起点にしてハノーバーまでつづく。その街道の途中にツェレの町がある。滞在する二日間、鉄道駅からは1キロ程離れた、木骨組みの家が並ぶ旧市街に宿をとる。

celle-castle1.jpg celle-castle2.jpg

 1200年代に建てられた元リューネブルグ公爵の居城を頭にして、端から端に歩いても10分足らずの4、5本の石畳の通りに、約480軒の木骨組みの家が連なる。カラフルな色の家々は、2階以上が外側に張り出た家が多く、1階の面積が税金の対象になるため、居住部分を2階以上に求めたという、町の歴史がうかがえる。

doitsubijin.jpg hoppenerhaus.jpg

 イギリス王家と伝統的つながりがあり、第2次世界大戦で爆撃からは逃れたという歴史ある町は、美しい姿をそのままに、観光地っぽくなく、活気に溢れている。朝の6時はもう日も昇り明るいのだが、まだ町は寝静まっていて人の気配がほとんどない。シャッター音を響せながら、歴史の刻まれた一軒一軒の家屋を眺め歩いていると、細い路地から立派な髭面の老人が出てきた。
「グーテンモルゲン、美しい町ですね!」
 おもむろに声をかける。老人は自慢笑顔で話してきた。
「この町はドイツでナンバーワンじゃよ」
 老人のベリーグッドの声が、わが視界に拡がる家並みに、拍車をかけていた。

つづく

投稿者:にわあつし
【人気blogランキングへ】

2009年08月06日

2009ヨーロッパ鉄道旅日記6

ハーメルン

hamelnekimae.jpg kyushigainoie.jpg

 ドイツにはいくつもの街道がある。ここツェレの町があるエリカ街道を並行するようにして、グリム兄弟の童話にちなんだ「メルヘン街道」が通っている。グリム兄弟の生誕地ハーナウからブレーメンまで約650KMの街道である。ツェレ2日目は、童話『ハーメルンの笛吹男』の舞台ハーメルンを訪れる。ハノーバー経由で約1時間の鉄道旅だ。

fuefukiotoko1.jpg fuefukiotoko2.jpg fuefukiotoko3.jpg

 訪れた日曜日は、旧市街の中心にある「結婚式の家」の前の広場で市民が披露する「ハーメルンの笛吹男」の劇が行われた。主演の笛吹男役は美しい女性で、鼠役の子どもたちを含め100人程の市民が熱演。周りを囲む各国の観光客に配慮して、物語の説明も国際的で、当然に日本語の説明もあり、親しみ深いひとときであった。1284年に実際に起きたと言われる、130人にもおよぶ子どもが笛吹き男と町から消えた「ハーメルンの災厄」を、後世に伝えるために創られたグリムの物語と知り、美しい町の悲劇に感慨無量で、路上に印された鼠の絵に従って帰途についた。

ashiatotoanezumi.jpg

つづく

投稿者:にわあつし
【人気blogランキングへ】

2009年08月20日

2009ヨーロッパ鉄道旅日記7

ice-train.jpg syanaifukei.jpg

北の渡り鳥線
おもちゃ箱の様な町ツェレを後に、北欧の最初の訪問地コペンハーゲンに向かう。ツェレからハンブルグ乗り換えで約490キロの列車旅である。ハンブルグまでは通勤時間帯の区間急行に乗り込む。
 列車旅での一番大変な仕事がトランクの積み降ろしの作業だ。ヨーロッパでは長編成列車が多いので、必ずホーム案内板で車両停止位置を確認し、目的車両の停止位置で列車を待つ。列車到着と同時に、男性2人でそれぞれ車両のデッキ側とホーム側に分かれ、トランクの受渡しを効率よく行う。我鉄道旅の鉄則で、この作業から鉄道の旅が始まる。
 ハンブルグから乗車のドイツICEは、スタイルや車内の豪華さは最新ICE-3と同じだが、珍しい振り子式気動車ICE-TD形式で、200K/Mの速度を誇る。北ドイツからスカンジナビア半島までは、鳥のように島伝いに橋などで渡り継ぎながら進む「渡り鳥コース」である。1等車のドリンクサービスに喉を潤しながら移り行く車窓の風景を楽しむ。

ensenfukei1.jpg ensenfukei2.jpg

 ハンザ同盟の街リューベックを過ぎる頃、ただただ水平線いっぱいに広がる台地は、黄色い菜の花畑と緑の草原。そして、その合間に立ち並ぶいくつもの風力発電の風車が、北海やバルト海からの恵みの風を受けて力強く回っている。

renrakusen-train.jpg kanbankara.jpg

 鉄道・道路橋フェーマルン橋(963.4m)を渡るとやがて、在りし日の青函連絡船を想う、鉄道連絡船の中にICEは入って行く。約1時間、プッツガルデンとロービュを結ぶしばしの船旅は、フェーマルン海峡の景色を楽しみ、免税店を覗いたりの、変化に富んだくつろぎの時を過ごさせてくれる。連絡船から出たICE列車は、酪農の国デンマークの田園地帯を、コペンハーゲンをめざしてひた走る。

つづく

投稿者:にわあつし
【人気blogランキングへ】

2009年08月27日

2009ヨーロッパ鉄道旅日記8

copenhagen.jpg cycletrain.jpg

コペンハーゲン

 アンデルセンの故郷デンマークは、世界に誇る福祉優先の国。残念ながら、到着したコペンハーゲンの中央駅の第一印象は、意外に雑然としていて、福祉国家にしては汚く感じる。ホテルのチェックインを済ませると、さっそく市内観光に出発だ。中央駅からS-TOG(国電)に乗り三つ目のオスタポート駅に移動。市内から近郊までを結んでいる国電は、自転車ごと乗車ができる。自転車も公共の乗り物として、専用道路も整備されているデンマーク。市内に120カ所程ある、乗り降り自由の無料レンタルスタンドの自転車を利用し、また自転車ごと国電で移動することにより幅広く行動ができる。通勤地獄には無縁の国電事情は羨ましい限りである。

mermaid2.jpg machinakanodokafukei.jpg nyhavn.jpg

 我がツアーは基本的に徒歩観光。ヨーロッパには、東京や大阪みたいな巨大都市は少なく、旧市街を含め徒歩で観光スポットを巡ることができる。テレビシリーズの如くぶらり散歩で、現地の人々と同じ視線で街を楽しむことが、旅の醍醐味でもある。人魚姫の像を筆頭に、王室の居城アマリエンボー宮殿、昔の船着場であるニューハウン、ショッピング通りストロイエ、そして、遊園地であるチボリ公園まで総歩行6キロ、締めは、幼き頃にたくさんの夢を与えてくれたアンデルセンの像に感謝を想いを告げ、ホテルへの帰途につく。

andersen.jpg

つづく

投稿者:にわあつし
【人気blogランキングへ】

2009年09月05日

2009ヨーロッパ鉄道旅日記9

x2000.jpg runs-in-stockholm.jpg

ストックホルムへ
 朝6時。白夜に近い季節は陽が昇るのも早く、空はもう明るい。コペンハーゲン中央駅の構内は旅行客の活気に溢れていた。今日はスウェーデン・ストックホルムを経由してノルウェーの首都オスロまで、1,219キロの鉄道旅。ストックホルムまでは、スウェーデンが世界に誇る高速列車X2000に乗車できるのが楽しみだ。

buffet2.jpg survice-breakfast.jpg

 予約してある1等指定席は朝食付き。木調のやさしさをふんだんに使った車内のインテリアは、北欧風のモダンな雰囲気を湛えている。座席テーブルでは、パソコンを開く乗客が目立ったのが今回の特色かな?
 ドイツ、フランスのICEやTGVなどの高速列車に比べると揺れが大きく感じるが、コペンハーゲンを発車すると、全長16キロのオレスンド橋を渡り、スウェーデンの入口にあるスウェーデン第3番目の都市マルメに到着。ここで列車は進行方向を変えると、ストックホルムへとひた走る。

gamlastan.jpg smallest-in-the-world.jpg

 ストックホルムでは、約2時間あまりの乗り継ぎ時間を利用して、市内ミニ観光を敢行。市庁舎で、噂のノーベル賞チョコを購入した後は、ストックホルム発祥の地、ガムラスタンに向かう。「北欧のベニス」と呼ばれるほど、いくつもの島から形成されているストックホルムはまさに水の都といえよう。ガムラスタンも一つの島からなる旧市街で、鮮やかな茶褐色の建物に挟まれた幾本もの石畳は、ついつい誘い込まれてしまうような異空間。そして路地裏の小さな公園に置かれた、「世界一ミニ」と言われる銅像に、この町の粋な風情を感じながらストックホルムをあとにした。

つづく

投稿者:にわあつし
【人気blogランキングへ】


緊急告知!
紀行作家として知られる伊佐九三四郎会員の講義『辺境の山旅から』が9月17日(木)14~16時に西東京市民会館 3階大会議室で行われます。予約不要で聴講無料ですので、ぜひお気軽に参加ください。
詳しくはこちら

2009年09月10日

2009ヨーロッパ鉄道旅日記10

osuroyuki.jpg

オスロ
短い時間で名残惜しいストックホルムに再来を願って、国際線ホームからオスロ行き列車に乗り込む。オスロまでの直通列車は昼間2本しかなく、我々が乗り込む午後2時半発の列車がなんと最終便である。

doubutsuka.jpg dog.jpg

 今回オスロ行き列車は座席指定をしていなかったため、指定チケットを持つ客が落ち着くまで空席を確保できず、大変苦労した区間である。座った車両は、動物も一緒に乗車できる専用車両で、隣りの座席ではペットの犬が足元から顔をだしていた。

zou1.jpg zou5.jpg

 オスロの宿は中央駅の真ん前で、駅側の窓からは、引っきりなしに発着するトラムの音が聞こえてくる。オスロでは念願であった、グスタフ・ヴィーゲランの彫刻があるフログネル公園を真っ先に訪れる。広大な園内は、モニュメントである高さ17mの「モノリス」の男女121人が絡み合う壮大な彫刻を中心に、人気ある赤ちゃんの像「おこりんぼう」など、200体以上の人物彫刻が並ぶ壮大な野外美術館。豊かな肉体美と知性あふれる表情、そして、それぞれに喜怒哀楽の物語を表現している像の魔力に、無我夢中でシャッターをきっていた。

zou2.jpg zou3.jpg zou4.jpg

つづく

投稿者:にわあつし
【人気blogランキングへ】

緊急告知!
紀行作家として知られる伊佐九三四郎会員の講義『辺境の山旅から』が9月17日(木)14~16時に西東京市民会館 3階大会議室で行われます。予約不要で聴講無料ですので、ぜひお気軽に参加ください。
詳しくはこちら

2009年09月15日

2009ヨーロッパ鉄道旅日記11

bergen-exp-shaso2.jpg

ベルゲン急行
 オスロからノルウェー第2の都市ベルゲンまでは、スカンジナビア山脈を越えて行く路線だ。この区間489kmを走る急行列車が通称「ベルゲン急行」と呼ばれる。

bergen-exp-nitosha.jpg finse-sta.jpg

 標高1303mの路線最高地点に広がるハルダンゲルヨクル氷河の氷雪地帯をピークにして、見え隠れするフィヨルドや、緑豊かな高原地帯など指折りの絶景を走る、世界中の鉄道ファン憧れの路線である。我がツアーも、フィヨルド観光とともに期待ワクワクで、ベルゲン急行に乗り込む。濃紺にシルバーツートンの精悍なマスクの列車は、ほとんどが2等車両の編成だが、木目の内装に暖かそうなモケット地シートの車内は、心地よい旅を提供してくれる。むしろ、スウェーデンのX2000よりも乗り心地が良い感じだ。
 ベルゲン急行は、朝日の眩しいオスロを発車。約6時間半の車窓旅は、緑深いノルウェーの森とハリング渓谷の雄大なロケーションのなか、100km以上も続く上り勾配を進み、標高1222mのフィンセ駅に到着する。

bergen-exp-shaso1.jpg bergen-exp-shaso3.jpg

 5月半ばはまだ雪解けには早いのか、フィンセから、フロム鉄道の出発駅ミュルダールにかけては、目の冷めるような雪と氷の白銀の世界がつづく。やがて列車は下り勾配になりヴォスを過ぎると、緑多い高原やフィヨルドに沿って走り、終点港町ベルゲンに到着。ノルウェーの美しい景観をすべて凝縮したロケーションは、車窓からひと時も目を離せない感動の連続であった。

bergen-sta.jpg

つづく

投稿者:にわあつし
【人気blogランキングへ】

緊急告知!
紀行作家として知られる伊佐九三四郎会員の講義『辺境の山旅から』が9月17日(木)14~16時に西東京市民会館 3階大会議室で行われます。予約不要で聴講無料ですので、ぜひお気軽に参加ください。
詳しくはこちら

2009年09月19日

2009ヨーロッパ鉄道旅日記12

myrdalpic-sta.jpg

フロム鉄道
 ベルゲンでの宿、グランドテルミナスホテルは、中央駅すぐ横。清潔に整えられたクラシカルな内装の部屋は、大変気持ちがよい。次の日は朝1番のベルゲン急行で今回の旅のハイライトである、ソグネフィヨルド観光に向かう。
 ノルウェーのフィヨルドルートはいくつもあるが、ソグネフィヨルド観光の1番ポピュラーなコースを選ぶ。ベルゲンを出発して約2時間、残雪の残るミュルダールの駅に到着。この駅からソグネフィヨルドの入江の村フロムまで結ぶ路線が、世界の鉄道ファンが憧れるフロム鉄道である。

flaamtesudofukei2.jpg flaamtesudofukei3.jpg

 標高866mのミュルダールから標高2mのフロムまで、全長20kmの区間の8割が1000m進むと55m下る急勾配で、険しい山肌に密着しながら、いくつものトンネルを抜けて行く鉄道線。そして路線のハイライトである、路線途中に流れ落ちるショースフォッセンの爆布を撮影したく期待を膨らませ列車に乗り込んだ。

shosefossen-waterfalls1.jpg shosefossen-waterfalls2.jpg

 列車は滝の前に常設された駅ホームで、5分間の滝見学のサービス停車のあと、眼下に開けた美しい緑豊かな谷間を、フィヨルドの青深い海に向かって列車は走ってゆく。

flaamtesudofukei1.jpg

※2009ヨーロッパ鉄道旅日記は今後も続きますが、当ブログではいったん終了となります。にわあつし会員ご苦労さまでした。最後だから読者のみんなもコメントを残していってね(by管理人)

投稿者:にわあつし
【人気blogランキングへ】

About にわあつし2009

ブログ「旅じゃ.com」のカテゴリ「にわあつし2009」に投稿されたすべてのエントリーのアーカイブのページです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のカテゴリはにわあつしです。

次のカテゴリはよっちゃんです。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。