手漉き和紙の里(KK)

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かつては清流で手漉き和紙の里があった押切川沿い(左)と平成の大合併により喜多方市となり熱塩加納村が閉村となった記念碑
福島県岩代国耶麻郡熱塩村(やまぐんあつしおむら)日中(現・喜多方市日中)は山形県境に位置し、東・西・北の三方を山に囲まれ、南は会津盆地に向かって開けている。冬は積雪1~2mにもなる豪雪地帯、耕地に恵まれず米の獲れない寒村で、春夏は養蚕、秋は炭焼、冬には紙漉きをしていた。
かつては押切川と野辺沢川を挟み、日中と新村(しんそん)地区に別れていた手漉き和紙の里であった。昭和29年(1954)に熱塩、加納と朝倉村の一部が合併して熱塩加納村(あつしおかのうむら)となった。平成18年(2006)、喜多方市、熱塩加納村、塩川町、山都町(やまとまち)、高柳村が合併し現在の喜多方市となった。
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旧国鉄日中線の熱塩駅舎(左)と日中線で活躍した機関車と客車
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日中ひざわ湖とダム(左)とダムから日中地区と日中温泉を望む
近年、旧国鉄日中線廃止、会津街道(米沢街道、現121号線)の改良・拡幅工事やトンネル工事、一級河川の改修、国営日中ダム工事等々が行われた。その結果、日中ダムの完成、日中ひざわ湖の登場は付近一帯の環境を激変することとなった。空海の加持によって開湯したとされる歴史ある熱塩温泉郷もさることながら、飯豊(いいで)、吾妻連峰を仰ぐ秘湯で知られた会津日中温泉も存亡の危機を迎えた。
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日中の秘湯を守った記念碑(左)と足湯
当時の旅館ゆもとやの女将が秘湯を守ろうと奮闘し現在の宿として引き継がれた。それを称える記念碑が建てられている。源泉100%掛け流しの檜露天風呂などで、日本秘湯を守る温泉宿として訪れる人を癒している。もちろん、日帰り入浴も可能(700円)。
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現在、喜多方と言えばラーメンや蔵の里として有名になり訪れる観光客も多いが、熱塩温泉、日中温泉を訪れ会津街道で米沢への観光ルートにもなり発展している。しかし、ここが手漉き和紙の里として栄えた名残りはなく、清流であった押切川も日中ダムの放流する水量調整を受ける川となってしまった。和紙の里であったという痕跡は、喜多方市街にある「喜多方市郷土資料館」(写真上)にわずかながら残されている。

( 2009年6月23日 寄稿 )

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