旅行者の足としてのバス(TG)

平成24年10月21日(日)、午前中に井笠鉄道記念館などをめぐった後、笠岡駅からタクシーを使い6キロほど離れた井笠鉄道バス笠岡営業所へ向かいました。そこは干拓地に位置し、近くにセスナ用の笠岡空港もあります。広い笠岡営業所の敷地内には車庫があり、私と同じように撮影に訪れている人達がたくさんいました。

1枚目の写真は、車庫の右側半分です。ズラリと並んだバス達がとても印象的ですが、バスが少し多いようにも見えます。以前、松本電鉄グループの経営が傾いた理由の一つに過剰なバス車両を抱えた事がありました。井笠鉄道も車両数の多さが少なからず影響していると思います。なお笠岡駅から車庫方向に向かうバスの便は無く、車庫と笠岡駅間は全て回送扱いでした。

 

 

2枚目の写真は、井笠鉄道の観光バスですが、すべて「井笠観光」という会社の名で営業しています。

 

 

 

 

3枚目の写真は、車庫中央に並んでいた中型バスです。左側の2台は、乗り降り口の階段が昔ながらの2段タイプの床油バスです。右側のバスは、ワンステップのバスで、UVカットガラスを使っています。

 

しばらく視察した後、車庫から福山駅に向かうバスに乗りましたが、待ち時間の間、福山駅行きの運転士の数人と話すことができました。ちょうど今日は、来月から運行開始する中国バスの面接が行われているらしく、出勤前に面接をしてきた、と言う運転士もいました。私が勤務する会社や地域とは事情が異なり、何とも言えませんが、同じバス運転士としては、今後の井笠鉄道バスの運転士さん達の行く末が、とても心配になりました。

福山駅からまた井原バスターミナルに向かいました。そして井笠鉄道バスのメインルートでもある、福山井原線に乗車しました。このルートは、他の路線よりも運行本数が多いですが、来月からの便数削減で一番削減率が大きい路線です。この日は日曜日だったためか乗客は、最初から最後までで私を含め6人しか乗車しませんでしたが、平日は通勤通学と通院のお客さんが多いとのことです。それでもこれからは運行本数は半分以下になるとのこと、利用者の不便さは、手にとるように分かります。

今日乗廃業寸前の路線に乗って感じた事は、先ず、そのニュースが流れた最初の日曜日とあって私と同じようなお客さんが多く、駅前やバスターミナルにはカメラを構えた人が多くいました。その中で一般の乗客は約半分位でした。だとすれば、日頃からの利用者は、先ほど書いた乗車人数よりもっと少なく、これでは赤字になるのが予想されます。
また。バス停の間隔も長いので、主な利用者である、高齢者向けとは言えません。しかも古い車両が多いので、乗り降りも大変だとすれば、おのずと家族の自家用車での送り迎えを選んでしまうのでしょう。それ以外にも、バスの運転士として気になったのは、井笠鉄道バスの運転士さん達は、良くも悪くも昔ながらの運転士さん達ばかりと見受けまれました。ですから今の時代に合った接客接偶が行われないと、利用者はどんどん離れてしまうとも感じられました。

日曜日の1日乗っただけでこのように感じるのだから、地元の人達は、もっと多くを感じとっている事でしょう。今回は残念ながら日曜日にあたり、役所等の公の機関から井笠鉄道バスに対する意見等が聞けなかったのが残念ですが、多分少なくとも、私と同じような事を聞くことになるのかもしれません。

11月から2013年3月末まで5ヵ月間に自治体や利用者の意見をまとめ、それに見合った対応をしないといけませんが、運転士達でさえどうなるか分からないと言う状況です。従って、多分明るい内容ではなくなると思いますが、私自身、当分見守るつもりでいます。

短い時間の訪問でしたが、以前から気になっていた井笠鉄道めぐりが出来、とても満足した一日でした。

 

( 2013年1月14日 寄稿 )

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