自然エネルギー

 

福島県は豊富な水力資源に恵まれ、電力需要地の近辺には適当な河川が多くあったために火力発電が遅れた。明治34年(1901)1月、磐城電気㈱の平(たいら)火力発電所が最初。その後、小名浜電燈㈱、植田電燈㈱が出来たが、水力におされていずれも数年後に廃止となった。

今日、原発の長期停止による電力不足を補うため、いわき市勿来(なこそ)の石炭火力発電所が注目されている。

 

福島県いわき市の常磐共同火力・勿来発電所

 

 

火力発電はCO2を大量に排出することで敬遠されてきた。今、新しい技術により石炭火力発電が見直され、新増設が進められている。勿来発電所では国内唯一のIGCC(出力25万キロ・ワット)の実証機が活動している。

鉄骨で組み上げられた巨大な施設は二つある。

一つは、石炭を燃やしてガスに変える炉。もう一つは、廃熱回収するボイラー。これを組み合わせて高い発電効率になるという。従来の火力発電は石炭、石油、液化天然ガス(LNG)の化石燃料で蒸気を出してタービンを回す。IGCCは石炭を燃やしガス化して、ガス用のタービンを回す。また、廃熱を利用して水を沸騰させ、蒸気タービンを回す。二通りの発電でこれまでより2割ほど効率が良くなるという。しかも、従来型石炭火力よりCO2排出量も石油火力と同等まで改善される。

 

常磐共同火力・勿来発電所への期待

 

 

昭和28年(1953)、勿来市(現いわき市勿来)の鮫川河口付近に、常磐炭鉱の安価な低品位炭を活用する発電所が設置された。地元の地主が敷地約5万坪を無償提供、東京・東北電力、他炭鉱6社の共同出資で設立。同32年(1957)11、29に完成した。

その後、東京電力福島第一、第二原発ができ、勿来発電所の蔭は薄くなった。

国道6号線を北茨城から小名浜へ向って走行すると巨大な施設が見えてくる。

発電所は東日本大震災の津波で浸水して被害を被った。実証機も150台のモーターなどが冠水したが、一日400人にのぼる人々の懸命な復旧作業により、4か月後には送電を再開することができた。現在でもガレキが山積みされている勿来海岸であるが、巨大な勇姿が復興のシンボルとして見られている。

石炭ガス化発電事業は、石炭に依存する新興国でもCO2削減への改善からち注目している。中国、インドや東南アジア各国から約10カ国から視察に訪れているという。砂浜の向こうに目をやると、震災後復興されて再開された勿来海水浴場が続く。

 

常磐共同火力・勿来発電

 

 

( 2013年11月24日寄稿 )

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