空の旅(MS/AR)

 

奄美空港で出発を待つボンバルディアDHC-Q800

 

1953年(昭和28)12月25日に、奄美群島が日本に復帰した。今年で悲願の復帰60周年を迎えた。奄美の魅力は訪れるたびに深まる。それは沖縄でも薩摩でもない独自の歴史、文化が醸し出す。馴染みの居酒屋で奄美の民謡を聞きながら、黒糖焼酎を傾けると沁沁と心に染みてくる。

奄美大島と沖縄本島の那覇を結ぶ琉球エアコミューターの路線は、高度5,500mで奄美群島の島々を眼下に遊覧するように飛行する。使用機種はボンバルディア社DHC8−Q300型で56席のプロペラ機だ。この飛行機の特徴は座席より上に翼があり、眼下の景色が良く見える事だ。一日一往復で那覇空港12時30分発RACB53便と、奄美空港14時発RACB54便で飛行時間は約50分。那覇から奄美に向かう便はA席、反対の奄美から那覇に向かう便はD席がお勧めだ。

9月下旬に奄美大島に一週間滞在し、RAC54便で沖縄の那覇に向かった。黒糖焼酎と泡盛を味わうちょっと贅沢な旅である。奄美空港を離陸するとA席側に喜界島が見え、奄美大島の東海岸を南下する。奄美大島は北側の笠利地方はなだらかな丘陵地だが、他は深い山並みに覆われている。リアス式海岸の僅かな入り江に、集落が点在しているのが特徴だ。やがて、奄美大島と大島海峡を挟む加計呂麻島が見えてくる。戦時中は日本軍の要塞で、安脚場砲台や特攻艇震洋基地跡などの戦跡が残る。加計呂麻島の薩川湾は軍港栄え、戦艦大和や武蔵などの連合艦隊も停泊していた。

深く入り組んだ大島海峡と加計呂麻島

飛行機は徳之島、沖永良部島、与論島の上空を通り、洋上に浮かぶ細長い伊平屋島と、丸い形の伊是名島が見えてくる。沖縄本島辺戸岬から東海岸に沿って飛ぶ。そして、ジュゴンの生息する辺野古崎が眼下に見えてくる。ここに米軍普天間基地の移籍が、仲井眞知事と政府の合意で決まりそうだ。この美しい海岸を埋め立て基地が完成すれば、この飛行ルートも変更されるだろう。秘密保護法が制定されたら、上空から写真を撮る事はスパイ容疑で犯罪になる。ジュゴンが生息出来ない海と、秘密保護法の日本は住み難い。動物などが生息できる環境は、人間にとっても住みやすい環境だと思う。

エメラルドグリーンの海岸線の辺野古岬

是非、施行前にこの美しい景色を多くの人に見てもらい、目に焼き付けてほしい。

 

( 2013年12月28日寄稿 )

 

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