旅のごはん 宮城県気仙沼市大島【休暇村気仙沼大島】  by 多賀 泰彦

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新鮮な魚介の料理を味わい

翌日は大震災の被害と復興の状況をガイドしてくれる宿 

☆ ☆ ☆

 気仙沼の沖合すぐに大島がある。この島にある「休暇村気仙沼大島」に、夏の一日泊ってみた。大島は、3.11の東日本大震災の地震と大津波の被害を受け、特に気仙沼湾岸からの火が大島の山火事を引き起こし、その様子を伝えるTV の画像は忘れられないものだった。

3階建の 「休暇村気仙沼大島」

 大島は人口約3200人で、大震災のため、全壊家屋が769軒、死者・不明者31名という大きな被害を受けていた。

 訪れた国民休暇村は山腹にあり、大津波の被害はなかった。すでに観光客が訪れて宿泊しており、ひとりで泊まった筆者の夜のごはんは「和会席」プラン。その中心は、もちろん気仙沼港で水揚げされた新鮮な魚の刺身だ。他に鍋物あり、焼魚あり、煮物ありと被災地で、こんな贅沢な夕ごはんが味わえると思っていなかっただけに、大感激だった。

和会席プランの料理で満足
 
旅のごはんは地元気仙沼で水揚げされた新鮮な魚の刺身

 

 地元大島も、今夏「小田の浜海水浴場」を再開し、ホタテ養殖筏体験・牡蠣養殖筏体験などのイベント企画も復活しているという。

 翌日チェックアウト後、宿泊客の希望者に休暇村のスタッフがマイクロバスで、亀山山頂(標高235m)に案内し、3.11の状況や、復興の現況について案内してくれた。

希望すれば亀山から見える震災の被害と復興状況などをスタッフが説明
 
亀山の木々も根元が震災の山火事で黒く焦げている

 大島と対岸の気仙沼市街の被害状況が分かり、改めて津波の恐ろしさを確認できた。大島の田中浜付近に残る瓦礫の山と対照的に、山火事にもめげず見事に緑を復活した亀山の森が慰めともなった。

 

大津波は左の田中浜から、右の浦の浜まで抜けたという
 

 

田中浜に残る瓦礫の山は分別されている

【休暇村気仙沼大島】
TEL0226-28-2626  http://www.qkamura.or.jp/kesen/
〒988-0603 宮城県気仙沼市外畑16
1泊2食付き8500円から(和会席プランの場合)。他にネット限定プランなどあり。
交通:気仙沼港エースポートからフェリー25分(400円)で浦の浜。                                      浦の浜から宿舎までの送迎は事前に電話のこと。

 

( 2012年8月26日寄稿 )