ビーフォーティーセブンは僕らの青春  by 荒木 啓幸

NO IMAGE

 

 

ビーフォーティーセブンとはボーイング747(B747)型機、通称ジャンボと呼ばれたジェット旅客機です。

この大きなジェット機が日本に初めて飛来したのは1970年3月11日夕刻のこと、パンナム(PAA)世界一周便として羽田空港に降り立ち大量輸送時代を迎えました。

私が初めて乗ったジャンボは1972年6月ハワイに添乗に行った時のJAL72便でした。客室に入ったとき、その広さというか、天井の高さに目を見張ったものです。以来、169回の搭乗は仕事に燃えていた青春期でした。

 

全景 流れるようなフォルムがファンを魅了した

 

 

そのジャンボ機も燃費が良く騒音も少ない新型機に代わってきました。JALは経営再建のためいち早く全機を手放し、ANAもいよいよ本年3月で全機を引退させることになりました。

改良が重ねられ今度引退するANAのダッシュ400型は565人のお客様を同時に運べます。その代り一旦事故を起こすと1985年8月の日航機墜落事故のように520人もの命を一度に失うこともあるのです。

 

ジャンボジェットの2階席は今では普通席が配置されていますが、就航初期はファーストクラスやビジネスクラスが配置され、我々貧乏人は立ち入ることができない特別な場所でした。いつかはあの2階席に乗れように頑張ろうという気持ちになったものです。

 

アッパーデッキ ジャンボの2階席は特別な空間

 

 

これで日本の航空会社が旅客機として保有するすべてのジャンボが姿を消すことになり

残るのは日本貨物航空の貨物専用機そして政府専用機のみになります。ANAのラストフライトは3月31日、沖縄~羽田の便で羽田には15:00到着予定です。それまで札幌(新千歳)と沖縄(那覇)便に投入されます。この旅客機に思い出がある方はぜひ別れを惜しんでください。

 

那覇空港に到着したジャンボ機を南国の花がお出迎え

 

 

基地問題に揺れる沖縄ですが、ここはジャンボとの惜別の思いを抱いて沖縄をお訪ねください。そして春まだ遠い札幌もお忘れなく。ただし、別れを惜しむとき私のように機体に頬ずりして怪しまれないようにご注意ください。

 

( 2014年2月11日寄稿 )