雲海のトイレ① 「空の旅」  by 荒木 啓幸 

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 今回は飛行機ではなく、機内のトイレの話です。

 旅慣れた皆さんはこの写真を見て、これは出入り口、緊急時は非常脱出口となる所だということはおわかりのことと思います。

 私の同僚は元客室乗務員です。現役のとき、3万9千フィートの上空でこの扉のレバーを回そうとするお客様があるそうです(けっこう頻繁に)。慌てて駆け寄りお声を掛けると「お手洗いかと思った!!」とのお返事。丁寧にお手洗いの場所をご案内し一件落着。でも意外と機内設備をご存じないお客様が多く、お手洗いを探してウロウロしている方を良く見かけます。最近の機材はパテションの中に溶け込んでドアが見つけ難いのです。

【これから先は女人禁制の世界】

 最新の機材、ボーイング787型には初めてウォッシュレットが設備されました。ウォッシュレットは日本だけのものかと思いましたが、近頃は海外のホテルでも良く見かけます。特に日系のホテルにはずいぶん普及しているようです。

 さて、先日、アラブ首長国連邦で元祖ウォッシュレットといえるようなトイレに遭遇しました。

天空のウォシュレット!

 

 使い方は何となく想像できるのですが正しいかどうか、定かではありません。一つ言えることは、ペーパーも付いてはいますがあくまでも水滴を拭うためのもの、従って便器に流してはいけません、そばにおいてあるゴミ箱に捨てます。ちなみに、床はビショビショでした。

 

 

 最後にご紹介するのはシンガポール・チャンギ空港の男性用トイレ。目標が小さいので見難いと思いますが中央の黒い点にご注目下さい。

 

 

 よくよく目を凝らすと小さな点は「ハエ」であることがわかります(もちろんプリントですが)。空港内の他の場所は、点が「蜘蛛」であったりします。つまり外にはみ出さないようにこの点を目掛けてしなさいということ! でも小さいときお爺ちゃんに、虫におしっこをひっかけるとバチが当たると言われたような気がするのですが。

 

 所変われば文化が変わる。人間生活の基本であるお手洗いほどお国柄が出るものはありません。慌てて用を足すだけでなく、ゆっくり腰掛けて観察してみてください。

 

 

( 2012年12月18日 投稿 )