新幹線を運転する3

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0系アーカイブ、これから東京~新大阪間ひかり号の運転をしていくのですが、その前に、新幹線電車運転士になる道筋を教えます。私が現役の運転士だった当時の国鉄時代は、初めに、国鉄新幹線総局の登用試験を受け運転部門に入社。最初に整備掛という、雑役の仕事からスタートしました。次に、電車掛・電車の修理部門で働き電車の構造など覚え、2年9カ月で憧れの新幹線運転士の登用受験資格がつきます。そして年に1度、東京運転所管内で10数人程の運転士募集に応募、受験をしたのでした。整備掛から電車掛へ、そして運転士とすべてに学科、適性試験がありました。特に運転士登用試験は4次までの適性試験がありかなりの倍率だったのを覚えています。
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そして運転士試験合格後、半年間学校、半年間見習いの後、一人立ちになる3駅区間の実馳試験にクリアーして、正式に運転士となりました。写真は0系教本、ATC信号表示地点表、運転日誌です。当時の運転士職場は、元SLの機関士など、運転にかけては根っからのプロの運転士が揃っていて、新幹線開業に伴い転換してきたポッポ屋ばかりでした。
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さて今の新幹線運転士登用の道。JR登用試験で入社後、駅勤務、その後車掌を3年程経験後、1年に一度10数名程の新幹線運転士募集に応募し、採用されると、晴れて運転士になるのです。しかし、ずーっと運転士をしているわけではなく、再び駅に降りて、営業の仕事をするという、何でもしなければならない環流システムなのです。また、運転士登用の試験は適性検査のみだそうです。今、JRはオールラウンド勤務の時代。0系の時代は、運転士は運転する電車と運転だけの道を一筋に、プロ仕事士の駆け抜けていった時代でした。写真は、これから運転する0系電車の運転グッズです。制帽、時計、業務で使用する腕章、制服の袖に付けるワツペン、乗務日誌・JR用、新幹線運転免許証―JRになってから個人貸与、そして手前の銀色に光る棒が、電車を動かす鍵!ブレーキ弁ハンドルです。自動車でいえばキーを回す、つまり、このハンドルを運転位置におくことにより、人間でいえば動脈に値する、103線・直流母線に電気が流れ電車は出発準備OKとなるのです。さあ、東京駅から出発しよう。
パート4につづく。
投稿者:にわあつし
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