さんぽ日和 ~ほんの小さな旅~
by 野﨑 光生
- 2016.05.08
- 観光による地域振興(NZ)

<里山をさんぽ>
立夏を過ぎて、一年で最もすごしやすい季節がやってきました。
今朝は、夜半から降っていた雨がようやくあがりました。そこで気分転換でもしようと、里山を散歩することにしました。
栃木県南部には平坦な土地が多く、郊外には田んぼや畑が広がっています。
穏やかな風を感じながら歩いていると、空からは暖かな日差しとともに、ヒバリのさえずりが聞こえてきます。

<一面が新緑に>
この時期は、新緑がとても美しく輝いています。畑では麦がすくすくと伸び、穂先はみずみずしく勢いがあります。ビール麦でしょうか? おそらく半年もすればビールに生まれ変わって、私たちの喉を潤おしてくれることでしょう。

その傍らには、菜の花がきれいに咲いています。そして、昨秋の稲刈りの後、「わらぼっち」として並んでいた稲わらは、野菜畑にかぶせられ苗を霜から守っています。

田んぼの畦道には、ピンク色のシバザクラが帯のように延びています。その横の用水路では、水が勢いよく走り抜け、広々とした田んぼに流れ込んで行きます。

用水路を覗きこんでみると、せせらぎが一段と大きくなって聞こえてきます。ここからの景色は今までと一変し、シバザクラが大木に見えてしまい、急流に流される一寸法師になった気分です。

<梨の白い花>
麦畑や田んぼに囲まれるように、梨畑が点在しています。そこでは純白の花が満開です。たくさんのハチが羽音を立てて、花から花へと元気に飛びまわり、花粉を運んでいます。やがて真夏になると、これらの木々に大きな梨の実をつけることでしょう。

<田植え>
朝早くから始まった田植えの作業もひと段落し、苗がきれいに並んでいます。今は、人の声も機械の音も消え、静けさを取り戻しています。

<ほんの小さな旅>
清々しい天気に誘われて里山を散歩してみましたが、初夏の訪れだけではなく、思いがけず強い生命力や次の季節の実りまで感じる取ることができました。里山の恵みに癒された上に、元気までもらってしまったようです。
わずかな時間でしたが、ほんの小さな旅をした気分になりました。
( 2016年5月8日投稿 )
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