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和歌山県・新宮市を訪ねて(1日目)ーその1ー  by 有田 慎二

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遠いからなかなか行けない歴史のまちで、寺町、スイーツ、城址を巡る

 

仕事柄もあってこれまで全国あちこちを訪ねているが、その中でも一番多いのが和歌山である。

初めての訪和は、熊野古道が世界遺産に登録された2004年。その取材のため熊野古道を歩いて以来、仕事とプライベートを含め、和歌山に足を運んだ回数はかれこれ十数回に及ぶ。

取材で訪れた地を好きになることは多々あるが、その後にプライベートの旅行で、しかも一度ならず二度三度と訪ねた地は和歌山の他にはない。なぜそんなに和歌山が好きかといえば、そのきっかけをつくってくれたHさん(本名でも問題ないと思うが、ここでは本人の了承なしに勝手に書いているので念のため名を伏す)という人がいて、この人を通じてバリバリの和歌山ファンに相成った次第。Nさんは和歌山にこの人ありと業界では知られた人物であるが、そのことについて語り出すと本題から逸れるので、また別の機会に。

とまれ、今回の新宮市ももちろんHさんにお声がけをいただいた。いわゆるプレスツアーというやつである。ただし、いつもは某夕刊紙の記者として招かれるところを、今回はその夕刊紙での掲載がある事情により不可だったため、あろうことか、旅ジャーナリスト会議の会員として招待していただいたことは特記しておきたい。

つまり、「旅じゃ.com」での掲載を条件にプレスツアーに参加させてもらえたわけだ。が、これは「旅じゃ.com」がプレスツアーに招待する価値のある媒体だと認められた、というよりは、Hさんの力があってのものだろう。

「今回は日刊○○では掲載できないんですよ~。代わりに旅じゃのブログで紹介するのはどうですか?」と、ダメ元で申し上げた私に対し、「全然問題ないですぅ」と、軽~くOKしてくれたHさんへ、この場を借りて御礼申し上げたい。Hさん、ありがとうございました。

前置きが長くなったが、ついでにもう少し。前述のように和歌山においては、熊野古道を歩いて熊野三山(熊野本宮大社、熊野那智大社、熊野速玉大社)参拝は勿論のこと、かの那智の滝も仰ぎ見た。和歌山城も登城したし、高野山では宿坊体験、醤油発祥の地とされる湯浅で醤油蔵見学、田辺でみかん絞り、南紀勝浦のマグロ市場見学など、さまざまな面白体験をしている。白浜でいただいたクエ料理に至っては、近畿大学のクエ養殖場まで見せてもらった。名勝の円月島も見たし、三段壁にも行った。南方熊楠顕彰館もよかった。温泉では、川全体が温泉という仙人風呂の「川湯温泉」、日本最古で日に7回色が変わるつぼ湯の「湯の峰温泉」、日本三大温泉の一つ「白浜温泉」、そしてホテル浦島の超絶景洞窟温泉・忘帰洞にも入った。つまり和歌山県内の主な観光スポットはたいてい訪問済み。余談になるが、白浜の「アドベンチャーワールド」には、いま東京で話題のパンダがたくさんいることは意外に知られていない。上野動物園のパンダを制限されてまで見るぐらいなら、ゆっくりと思う存分パンダを鑑賞できる「アドベンチャーワールド」をおすすめする。南紀白浜空港からすぐだから、飛行機代はかかるが東京からでも余裕で日帰り可。パンダ好きならぜひ御一考を。

おっと、和歌山のことになるとつい熱くなり筆が滑る。何が言いたいかというと、和歌山県内の観光スポットには大抵行ったけど、新宮市だけがまだ未訪だった、ということ。もっとも、熊野速玉大社が新宮市にあるから、まったく初ではない。が、いつも時間がなくて、新宮市で行ったことがあるのは熊野速玉大社のみ。他は素通りしたことしかなく、新宮市内をじっくり見て回るのは今回が初めてである。楽しみですな。

 

東京から新幹線、特急ワードビュー南紀を乗り継ぎ、約5時間半で新宮へ。

 

新宮市までは、名古屋から特急「ワードビュー南紀」に乗るのが一般的。たとえば東京駅からだと8時10分発の新幹線のぞみに乗れば、9時48分に名古屋着、10時01分名古屋発の特急「ワイドビュー南紀」に乗り換え、新宮駅には13時37分に到着する。

つまり名古屋から新宮まで特急でも約4時間かかるわけだが、これを長くてイヤだと感じる人は旅行好きとはいえない。時間をかけて遠い地を訪ねることに旅情を掻き立てられるのが旅行好きというものだ。

交通手段としてはもう1つ、高速バスという手もある。東京都内と新宮駅前を直通で、夜出発の朝方着。料金も約1万円と安い。

当日も「ワードビュー南紀」で、予定通り13時37分新宮着。まずは昼飯ということで、到着早々、「焼肉ひげ」へ。ここは和歌山県の焼肉店で唯一の熊野牛指定店だそうで、昼から焼肉を食す。いま新宮市をあげて売り出し中だという熊野牛、文句なしに旨い。旨いけど、他とどこが違うのかと問われれば、それを説明できるほどの筆力はないので、「熊野牛を食べるならここですよ」と、紹介するに留めて、次行きましょう。

ちなみに新宮市は、人口に比して飲食店の数が全国でも有数に多い街だそうで、それを示すデータもちゃんとあるという。今回はそのデータの参照はしないが(面倒だから)、興味のある向きは自分で調べてね。

飲食店が多いだけではない。地元の方々が仰るには、「新宮の飲食店はレベルが高くて、どの店へ行ってもハズレがない」そうですぜ。グルメは新宮に注目!

「焼肉ひげ」外観
「焼肉ひげ」外観
「焼肉ひげ」の焼肉スペシャル定食1500円
「焼肉ひげ」の焼肉スペシャル定食1500円

今回は、以上です。

☆ 次回の ーその2- は、「歴史のまちで、歴史を感じる寺めぐり」です。
どうぞお楽しみに!!

 

( 2018年2月10日寄稿 )