『天地人』第16回「信玄の娘」

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 なんか、本日の大河ドラマ終了後あたりからぐぐっとアクセスが増えていたようですが、この日は仕事が立て込んでおり、日付が変わってから更新しています。愛読者には申し訳なかったかな。
 今回はまったりとしながらも時代が2年も進み、急展開になってしまいました。でも、ホームドラマ仕立てで肝心の歴史的事項はすっ飛ばされていたようで……。景勝と菊姫の婚礼に関しても、いきなり寝所に懐剣を所持している菊姫。予告ではもっと緊迫した雰囲気が流れるかと思っていたのですが、さすがはホームドラマ。庭先の雪割草を見ただけで上杉家と打ち解けてしまいました。体育会系の姫様って単細胞なのね。実際には晩年は人質生活が続いて不遇な人生を送ったのですが、このあたりはどう描かれるんでしょうか。
 一方、浜松城の徳川家康(松方弘樹)が顔見せ。なんか秀吉とキャラがかぶりすぎていませんか。そして安土城の信長とともに「上杉家には策士がいる」と、兼続との絡みに伏線をはります。
 といっているウチに御館の乱はあっけなく終結したかと思えば、兼続は家老に抜擢されます。しかし、まだこの時点での兼続の地位はそれほど高くなかったはずなのに、直江信綱と二人体制になっています。実際は信綱死後に兼続は狩野秀治と二人の執政体制に入るのですが、狩野秀治は出てきませんね。
 でも、兼続と信綱がようやく打ち解けあったと思いきや、もう信綱は殺されてしまって何が何だか分からない。実際は御館の乱の論功行賞のもつれがあって、上田衆と外様国人衆の対立があったんですけど。このあたりはのちに反乱を起こす新発田重家すら登場しません。この事件の起こったのは天正9年(1581)9月で、御館の乱の最中に景虎から景勝に鞍替えした毛利秀広が、景勝の側近の山崎秀仙を殺害し、止めに入った直江信綱も巻き込まれて殺されてしまうのです。その毛利秀広も岩井信能に討ち取られているのですが、名前も何も出てこないんじゃ、一体なんなのととまどうばかりです。次回で未亡人となったお船と兼続が結婚して「直江兼続」となるわけですが、この回想シーンもう少し細かくやってくれないと、せっかくの信綱の立場はどうなってしまうのでしょうか。
久々にタイムリーに書いてくださった、こちらの批評も併せてお読みください。
桐野作人先生『膏肓記』
橋場日月先生『日次記(ひなみき)』
 史跡紀行では菊姫の故郷である山梨県甲府市を取り上げ、信玄の居城・躑躅ヶ崎館跡(武田神社)が紹介されました。ここは2007年の大河ドラマ『風林火山』の取材で訪れた地ですが、なぜか『風林火山』のときは写真をUPしていませんでしたので、今回は武田神社とスタンプをUPします。
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 あと菊姫が歌舞伎『本朝廿四孝』の「八重垣姫」のモデルと紹介されました。八重垣姫は架空の人物で、こちらは上杉謙信の娘で武田勝頼に嫁ぐ設定になっています。諏訪法性の兜が原因で両家が不和になったが、八重垣姫が兜に祈願して氷のはる諏訪湖を渡って勝頼のもとへ行くというストーリーです。今回は紹介されませんでしたが、諏訪湖上にはこの八重垣姫像が立っていますので、今回はこの八重垣姫像と最寄駅のJR中央本線上諏訪駅のスタンプもUPしておきます。
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なお、来週の4月26日は取材で不在のため、帰京後の更新になり、遅れますのでご了承ください。
『天地人 直江兼続』(メディアボーイ)をまだ購入していない方は、ぜひこちらからご覧になって購入してくださいまし。
投稿者:管理人
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