故郷心の旅「秋葉街道を旅する」1

NO IMAGE

akibajinja.jpg
 静岡県の主要交通路には、東西に延びる東海道、そして北に延び、山梨県に抜ける甲州街道と長野県に抜ける秋葉街道があります。秋葉街道は長野県飯田と静岡・遠州を結ぶ総延長220㎞余の道で、遠信古道とも呼ばれ、また、太平洋の海で採れた塩が、この道を通って信州に運ばれたことから「塩の道」とも呼ばれていました。
 街道の途中、秋葉山にある秋葉神社が、江戸時代になって、火伏せの神としての信仰が盛んになると、やがて“秋葉街道”と呼ばれて親しまれるようになりました。春爛漫の穏やかな日、東海道の雑踏を逃れるようにして、国道152号線「秋葉街道」を一路、長野県飯田をめざしてひた走ります。
 天竜二俣の町からは、深い山間を縫うように、天竜川に沿って進んで行きます。快適なドライブの途中、船明ダム湖を過ぎ、秋葉トンネルを抜けると、右側に大銀杏を印す二つの大石塔が現れました。石塔の間を抜け、朱色のアーチ橋を渡って9㎞奥に入ると、そこには火祭りで名高い秋葉神社があります。
 大井橋の交差点からは天竜川と離れ、車は山間部に入って行きます。離合しにくいワインディングロードが続き、のんびりペースのドライブで風情を楽しみながら走るなか、走り馴れた地元のおばさんドライバーの車が、猛スピードで我が車を追い越していくのには、度肝を抜かれます。
shironishieki.jpg
 相月地区に入ると、JR飯田線が道路に沿って続きます。城西の駅前では、近所のおばあさんが、清掃作業を行っていました。1時間に1本あるかないかの単線駅。これはたいそうのどかな光景です。
sjibashi1.jpg sjibashi2.jpg
 城西駅近くには、鉄道ファン注目のフォトスポットが・・・。第六水窪川橋梁、別名「S字橋」と呼ばれ、中央構造線断層の地殻変動で予定していたトンネルが崩壊。水窪川の上を橋で迂回させた、いわくつきの鉄橋です。
koinobori.jpg
 春空に気持ちよく泳ぐ鯉のぼりの下を、ゴトンゴトンとゆっくりとした音を響かせながら走って行くローカル列車。スローな時間のなか、人と自然が調和した日本の原風景に、心癒されるひとときでありました。
5月12日につづく
投稿者:にわあつし
【人気blogランキングへ】