北海道の動物たち(第6回オオハクチョウ)

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カモ目カモ科ハクチョウ属。
全長約140cm、翼長約60㎝、体重約10kg。全身白色で、上くちばしは黄色で下くちばしと足が黒い。繁殖地はユーラシア大陸北部で、越冬のために日本に飛来する。道東の濤沸湖、屈斜路湖などでよく見られる。
 冬期、オオハクチョウが飛来する屈斜路湖は白鳥の湖と化す。湖岸の砂を掘ると温泉が湧き出す「砂湯」周辺は湖が凍らない上、多くの観光客がパンの耳といった餌を与えてくれるので、彼らにとっては天国なのかもしれない。野生動物のわりにお気楽に見えるのもそのためなのか。それとも元来そういった生き物なのかわからないが、暢気に毛づくろいしている姿は自然の厳しさを感じさせない。
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 一方、濤沸湖のオオハクチョウたちは大変だ。屈斜路湖同様に餌を与えてくれる観光客が多いが、それ以上にライバルも多い。カモやカラスたちがおこぼれを狙っている…というよりも彼らの方がオオハクチョウたちよりも大きな顔をして幅を利かせている。せっかくオオハクチョウの若鳥に餌を投げてやっても、すぐに要領のいいカモに盗られてしまう。それなのに悔しそうな顔をすることもなく、次の餌を投げてもらえるのを待っている。「餌を投げるこっちの方が悔しいぞ!ちゃんとキャッチしろ!」と言いたくもなる。
 去年5月、北海道で見つかったオオハクチョウの死骸から強毒性の鳥インフルエンザウィルス「H5N1型」が検出されたというニュースを耳にした。極度に恐れる必要はないが、野生の動物と触れ合う際には適度な距離を保ち、必要以上な接触は控えるべきであると改めて自分に言い聞かせる事件だった。
第7回エゾナキウサギ(9月1日)につづく
投稿者:渡邊恵美子
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