2009ヨーロッパ鉄道旅日記11 by にわ あつし

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ベルゲン急行

 オスロからノルウェー第2の都市ベルゲンまでは、スカンジナビア山脈を越えて行く路線だ。この区間489kmを走る急行列車が通称「ベルゲン急行」と呼ばれる。

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 標高1303mの路線最高地点に広がるハルダンゲルヨクル氷河の氷雪地帯をピークにして、見え隠れするフィヨルドや、緑豊かな高原地帯など指折りの絶景を走る、世界中の鉄道ファン憧れの路線である。我がツアーも、フィヨルド観光とともに期待ワクワクで、ベルゲン急行に乗り込む。濃紺にシルバーツートンの精悍なマスクの列車は、ほとんどが2等車両の編成だが、木目の内装に暖かそうなモケット地シートの車内は、心地よい旅を提供してくれる。むしろ、スウェーデンのX2000よりも乗り心地が良い感じだ。

 ベルゲン急行は、朝日の眩しいオスロを発車。約6時間半の車窓旅は、緑深いノルウェーの森とハリング渓谷の雄大なロケーションのなか、100km以上も続く上り勾配を進み、標高1222mのフィンセ駅に到着する。

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 5月半ばはまだ雪解けには早いのか、フィンセから、フロム鉄道の出発駅ミュルダールにかけては、目の冷めるような雪と氷の白銀の世界がつづく。やがて列車は下り勾配になりヴォスを過ぎると、緑多い高原やフィヨルドに沿って走り、終点港町ベルゲンに到着。ノルウェーの美しい景観をすべて凝縮したロケーションは、車窓からひと時も目を離せない感動の連続であった。

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つづく

( 2009年9月15日 寄稿 )