旅行者の足としてのバス(TG)

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現役路線バスの運転手は語る②  by 増井 隆之

  • 2012.06.05

< 問われる「夜間高速ツアーバス」運行のモラル >  今回の関越道で起きたツアーバス事故の報道でしばしば報じられた事柄に、運転手が目的地に着いてから、次の発車までどのくらい睡眠や休憩を取っていたか、またはこの間、どう過ごしたかという内容がありました。  通常の夜間高速路線バスは、自社と提携している相手側のバス会社と取り決めをして、「到着してから出発まではその指定営業所の仮眠室や浴場等の施設を相互に使う」ことが普通です。ですから朝出発地に着いて、夜までそこで睡眠をとることができます。ただし、お互いに共同運行していない同業社の休息所を使うときには、一定額の施設使用料金も払ったりもします。  これが […]

現役路線バスの運転手は語る①  by 増井 隆之

  • 2012.06.03

< 夜行バスとひと口に言っても… >  7人が亡くなった関越道でのバス事故のあと、「夜行バス」の報道がしきりになされている。しかしその運行形態には「ツアー」と「路線」の二種類あり、ときには混同して報道されている向きもある。  その区分ははっきりしていて、「ツアーバス」は会社にとって都合のいい時だけ運行するが、「路線バス」は利用人数がゼロであろうと毎日運行していて、その分の経費負担や情報収集もしている。路線バスは自社営業路線なり共同運行路線なり、お互いに同じルートを走る者同手が情報交換をするが、ツアーバスは単体での運行なので、運転手が得られる情報量が断然少なくなる。路線バスの運転手は通過する場所 […]

● 運賃が安くなるのか、高くなるのか、「高速ツアーバス」はどこへ行く  by 多賀 泰彦

  • 2012.05.26

高速ツアーバス死亡事故の衝撃が続いている。ツアーバス企画会社のハーヴェストホールディングスのバスは、5月24日現在も全便が運休中である。 高速ツアーバスの団体である「高速ツアーバス連絡協議会」(事務局は楽天バスサービス)が5月16日に、自主的な指針を決め、国土交通省に届けたという。協議会の資料によれば、夜間450キロ以上の運転は交代運転手を配置する。安全管理に問題のあるバス会社とは契約をしない。利用者向けのネットに交代運転手の有無や事故時の補償の内容を明示する。乗客全員の名前や、年齢、性別を把握するなど、かなり細かいものになっている。 一方、国土交通省も大臣名で、同日に高速ツアーバス連絡協議会 […]

高速ツアーバス事故と規制緩和を考える  by 多賀泰彦

  • 2012.05.03

<2012年4月29日未明 関越自動車道 高速バスツアー事故>  乗客7名死亡という、居眠り運転による痛ましい「高速バスツアー」事故が起きた。    2000年の国土交通省による規制緩和(道路運送法改正)が遠因と各新聞も報じている。規制緩和はイコール 競争社会への突入ということにつながった。事故を起こした高速バスツアーは、金沢駅~新宿駅・東京駅・TDL(東京ディズニーランド)間を運行するもので、同区間の高速ツアーバスの中でも片道3500円と最安値に近いものである。これは同じ様な区間を走る路線バスの高速バスで金沢駅東口~新宿駅の片道7840円に比べても安い。さらにJRの新幹線利用(東京 […]

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