<信州への旅> 長野県伊那市高遠町(いなしたかとおまち)を訪ねた。 高遠町は江戸時代に4代将軍家綱を支えた保科正之が、高遠藩主を勤めていた歴史ある町で、現在は高遠城址のタカトオコヒガン桜でも全国的に知られている。 この町を旅したのは、以前から中村不折(なかむらふせつ)(1866~1943年)の足跡をたどりたいと思っていたからである。計画性もなく出かけたのだが、不折の作品を軸に、地元の人たちの心温まるもてなしを受けるありがたい旅となった。 <中村不折とは> 中村不折は、明治から昭和にかけて活躍した洋画家であり書家である。洋画は東京国立近代美術館などに所蔵されているほか […]
< 地酒は旅の楽しみ > 旅先で地酒を味わうのは、何とも楽しみな話である。 もちろん、旅館や小料理屋で飲むのもよいのだが、できればその地の酒蔵を訪ね、作り手のうんちくが聞ければ、おいしさも一層増すというものだ。話は蔵のいわれから始まって、酒米や水のこと、土地の歴史や風土、そして周辺の見どころにまで展開する。 酒蔵には地域の情報や文化が集積しており、観光スポットであると同時に観光情報を発信する拠点ともなりうるわけだ。 < 一日千人超を集客 > そうはいっても、酒蔵は何となく敷居が高いし、お土産ばかりが目に付くような、観光慣れした酒蔵に入るのは興ざめである。 そこで、ち […]
<里山をさんぽ> 立夏を過ぎて、一年で最もすごしやすい季節がやってきました。 今朝は、夜半から降っていた雨がようやくあがりました。そこで気分転換でもしようと、里山を散歩することにしました。 栃木県南部には平坦な土地が多く、郊外には田んぼや畑が広がっています。 穏やかな風を感じながら歩いていると、空からは暖かな日差しとともに、ヒバリのさえずりが聞こえてきます。 <一面が新緑に> この時期は、新緑がとても美しく輝いています。畑では麦がすくすくと伸び、穂先はみずみずしく勢いがあります。ビール麦でしょうか? おそらく半 […]
☆料理の神様 高椅神社(たかはしじんじゃ)は、全国の料理人から崇拝されるちょっと珍しい神社である。JR宇都宮線小山駅(栃木県小山市)から北東に約12キロの田園地帯に、欅の大木に囲まれて鎮座する。この神社の秋季例大祭において29年ぶりに包丁式が奉納され、県内外からの多くに人たちでにぎわった。そして華やかな式典の影には、それを支える地域住民の姿があった。 ☆なぜ料理の神様に? そもそもなぜこの神社が料理人の信仰の対象となったのか。その理由は古代までさかのぼる。景行天皇がこの地に訪れた際に、料理人として同行していた磐鹿六雁命(いわかむつかりのみこと)が、 […]
<里山へ> 澄んだ空気の中、里山を散歩するとなぜか心が和みます。 栃木県南部には平坦な土地が多く、田んぼや畑そして平地林が共存し、里山が広がっています。 <わらぼっち> この時期は稲刈りもほぼ終わり、あちこちに「わらぼっち」が並んでいます。わらぼっちとは、稲わらを束ね、円錐状に置いたものです。 遠くから見ると整然と並んでいて幾何学模様が美しく、近くで見ると一つひとつの表情が微妙に異なり、生き物のようにも見えて愛嬌すら感じてしまいます。 <にんじん畑> 隣の畑に目を移すと、足 […]