鉄道で巡るヨーロッパ心の旅13

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スイス、レマン湖沿いの古都ローザンヌから、フランス・パリまでは508㎞。フランスTGV(超高速列車)に乗れば、約4時間です。スイスでの最終日は、世界遺産の都市ベルンを散策したあと、IC特急でローザンヌへ向かいました。
山合いの酪農地帯を抜けると、美しいレマン湖が眼下に広がります。山麓の斜面いっぱいに、太陽の恵を受けた豊かな葡萄畑が連なっています。そこはスイス第2のワインの産地であるヴォー州。アルプスを望む葡萄畑と湖の間、点々とした小さな集落を縫うように、列車が進みます。チャップリンやオードリー・ヘプバーンが余生を過ごした、ヴヴェイやモルジュの町も、湖畔のすばらしいロケーションの中にあります。
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まだTEE(ヨーロッパ横断特急)が活躍していた30年ほど前、レマン湖の端のリゾート地モントルーで、シヨンの古城をバックに走るTEEの美しい姿に魅せられ、幾度か、撮影にこの地を訪れた思い出が浮かんできます。現在のローザンヌ発パリ行国際TGVは、先端がとがった一次型車両で、フランス国鉄おなじみの銀色ボディーにブルーのライン。車両ドアの横に貼られたスイス・フランスの表示が、国際線列車であることを示しています。
私たちの乗る最終のTGVは、パリ・リヨン駅到着が深夜。夕食は車内のレストランカーを予定していたのですが、残念なことに乗車予定の列車には、連結されておりません。急遽、スイスフランの小銭の清算も兼ね、ローザンヌ駅のフードショップでファーストフードを買い込み、車内で食事をすることになりました。1等車利用といえど、「リッチにレストランカー」ばかりでなく、みんなで楽しく食事というのも、また結構ではありませんか?
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TGVはローザンヌを発車すると、カーブの多いジュラ山脈の峠を走り、約2時間で、ブルゴーニュ地方の食の都ディジョンに到着。ディジョンはマスタードやブルゴーニュワイン、そしてエスカルゴ料理でも有名です。ディジョンマスタードは、日本のからしのように、鼻にツーンと沁みるものではなく、独特の酸っぱさが、ステーキやソーセージの美味しさを引き立てます。それに、肉の臭みも消してくれるため、私も土産品のひとつにしています。ディジョンを出ると、TGVは高速専用路線に進入。ブルゴーニュ白ワインの代表であるシャブリの産地を横目に、典型的なフランスの農村地帯を、最高速で一路パリへ向かいます。
パート14につづく
投稿者:にわあつし
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