皇居東御苑散策と花だより2

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shinamansaku.jpg ●大番所前に咲く見事なシナマンサク
 シナマンサクはマンサク科の落葉低木で、山地に自生し3m位となる。早春、黄色い線形の四弁花を開き、楕円形の蒴果(さくか)を結ぶ。茶花(ちゃばな)として栽培、花季が早いのに珍重される。葉は止血剤となる。成長したシナマンサクの見事な開花姿である。
mitsumata2.jpg ●本丸にある三椏(みつまた)
 本丸正門に進んでくると視界がパッと開ける。かって、本丸、大奥、天守閣のあったところで、現在は芝生でボランティアの清掃奉仕によって手入れも行き届いている。その入口の傍らに三椏が咲いている。中国原産で漢名を黄瑞香といい、繊維植物として日本暖地に栽培された。ジンチョウゲ科の落葉低木で、2~3m位に成長し枝は三つに分かれる。樹皮は和紙の原料となり、我が国の紙幣に使われている。皇居にも紙幣の原料、三椏が見事な花をつけていたのである。

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●天守閣の代用として使われた「富士見櫓」
「櫓」とは、倉庫や防御の役割をもった建物で、かつて江戸城には19櫓が建っていた。今では、伏見櫓、桜田二重櫓、富士見櫓の3つが残っている。中でも富士見櫓は唯一の三重櫓である。明暦の大火(1657年)で焼失した天守閣の代用としても使われ、将軍が両国の花火や品川の海を眺めた。もちろんその名のとおり富士山も眺められたのである。明治に入ってから我が国の測量を行うにあたり、一等三角点の第一点とし、以降測量に必要な三角点標石を全国に設置していった。
パート3につづく
投稿者:菊地正浩
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