『天地人』第26回「関白を叱る」

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 タイトルの「叱る」って、『利家とまつ』で利家が秀吉を殴ったように、兼続が秀吉を叱るというあり得ないシーンを期待していたのですが、優しい兼続が関白様を叱るシーンってありましたっけ? 兼続が金を積まれても秀吉の招きには応じず、怒った秀吉が刀を抜く事態に至りましたが、結局は何もお咎めなし。あのあとで秀吉正室おねが秀吉を叱っていたシーンがタイトルなんでしょうか? なんだかよくわかりませんねぇー。
 景勝&兼続主従が屋敷に帰ってきたあと、無口な景勝が関白と刺し違える覚悟で遺言までしたためていたのに兼続は感激した様子ですが、やっぱりこのシーンは前田慶次と秀吉との対面のほうがサマになったのではと思います。
 役目を終えた景勝は故郷に戻ることになり、妙顕寺城(京都市中京区)で小早川隆景や秀吉と会見。秀吉は「こないな無礼者は初めてじゃ」といいながらも、上杉の「義」を認めて東国の守護神とします。哀れ新発田重家は蚊帳の外になっています。この妙顕寺城というのは初耳(勉強不足)だったので調べてみましたが、聚楽第が完成するまで京都の政庁が置かれたところとか。ちょうど聚楽第が完成する前のタイミングだったのですね。
 で、また今回も兼続に引き続き石田三成も株を下げました。あのトラブルメーカーの初音を救うために、「お暇」を請うなどとは……。結局、この程度の器量では徳川家康に太刀打ちができるわけもないでしょう。三成に対する警戒は、すでに兼続を招いた千利休によっても忠告されています。でもこれも意味不明。利休は「天下の禍となるのがあのお方の宿命」「守りたい者を壊してしまう」などと言っています。「守りたい者を壊す」というので、匿った初音を処刑でもすれば「さすが」と感心したのですが、そうではなく三成は初音を助けています。で、兼続が三成のもとを訪れ、「無用の敵をつくってはならん」とアドバイスしますが、初音には会うことなく立ち去ります。初音はそのまま三成のもとに残る決意をしたようですし、これでもうドラマから消えてくれると萎えてしまった後半部分もなんとか観続けることができるかもしれません。
 家康に嫁いだ朝日姫(平田敦子)には笑いました。ずいぶんと恰幅のよい役者さんを選んだようで、密談のときには寝室で家康がムリにどけようとしていましたね。不幸な一生を歩んだとは思えないほど対照的な人物像になっています。で、その家康も天正14年(1586)10月に上洛。褒美として秀吉の陣羽織を所望し、「殿下に代わりいくさを任せてください」と、サルとタヌキの化かし合い。やはりここでも三成は警戒心を抱いていますが、またあの初音が絡んでしまわないことを願うのみです。
 次回予告ではタイトルが「与六と与七」になっており、番組予告にあった「兄と弟」から変わったようです。またも視聴率UPを狙った懐古主義であのミニ与六(加藤清史郎)を登場させるようです。こちらのほうが楽しみですね。
 史跡紀行では大阪市中央区の秀吉の居城・大阪城(当時は大坂城)を取り上げ、大阪城天守閣所蔵の大坂の夏の陣図屏風や復元黄金の茶室などが紹介されました。城に近い豊國神社と秀吉像も登場しましたが、残念ながら大阪城は未訪です。今回はH津文化財団長のH津氏が撮影した大坂城と最寄のJR大阪城公園駅のスタンプをUPします。
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投稿者:管理人
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