世界遺産の旅(HRM)

「煩悩を払う懺悔の旅」高野山  by 弘實 和昭 

  • 2015.10.04

  大学の同窓生5名で、世界遺産に登録された高野山へ行った。弘法大師空海の開いた真言宗の本山、今年は開創1200年目にあたる。標高900mの霊山で、夏は涼しい。私はこの小旅行を「65年間の煩悩を払う懺悔の旅」と称することにした。 山に入ったのは8月初めの猛暑日。東京駅から新大阪までは新幹線「ひかり」に乗る。65歳から入れる「JR大人の休日倶楽部」で、3割引きの切符を購入した。往復切符を買って19,040円。正規運賃より8,200円も安い。この倶楽部では新幹線「のぞみ」は対象外で乗車することが出来ない。乗車時間が30分ほど長くなるのだが、これは安価の代償と考え、仕方がないと諦める。 隣 […]

当会 最長老、稲葉修三郎さんがTVに出演。反射炉の謎を解く  by 森田 芳夫

  • 2015.06.26

  日本が進める「明治日本の産業革命遺産」(計23施設)の世界文化遺産登録の中に伊豆韮山にある反射炉が含まれていることはご承知のことでしょう。   去る6月1日(月)、テレビ朝日の夕刻の番組「Jチャンネル」で『反射炉れんがに謎の印・解くカギは河津の山奥に』が放映されましたが、番組の主役が河津町在住の稲葉修三郎会員でした。   この番組で最大の謎とされたテーマは、反射炉に刻印されたレンガがどこで焼かれ、製品化されたかということでした。その謎を解くキーマンとして乞われて登場したのが郷土史家・稲葉さんでした。稲葉さん研究によれば嘉永6年(1853)、レンガは河津町梨本の […]

世界遺産を旅する  by 弘実 和昭

  • 2012.04.18

  世界遺産は、1972年のユネスコ総会で採択された制度である。遺跡、景観、自然など、人類が共有すべき普遍的価値を持つ不動産やそれに準ずるものが対象となるという。2011年で936件登録されている。その内訳は文化遺産725件、自然遺産183件、複合遺産28件である。   地域的にはヨーロッパにその半数がある。一番多いのがイタリア(47件)、次にスペイン(43件)、中国(41件)、フランス(37件)、ドイツ(36件)と続く。非常に多くの物件が登録されている国がある一方で、世界遺産条約締約188カ国の中、1件も登録物件を持たない国も数多くある。明らかに、ヨーロッパの観光産業を意識した結果であるとも […]

世界遺産登録をめざす富岡製糸場2 by 菊地 正浩

  • 2009.04.23

ワインを飲んでいたブリューナ邸 ●富岡製糸場の歴史  ペリー来航、開国、安政の五カ国条約締結、貿易開始、生糸の輸出という流れは、各地の蚕糸場から日本のシルクロードを経て横浜に運ばれ、輸出が盛んになった。明治新政府は殖産興業の一つとして製糸業に力を入れ、生糸の輸出による外貨獲得に乗り出した。そして、我が国の模範となる官営の製糸場建設に取りかかった。軍需、産業、文化などあらゆる分野で欧米に追いつけ、追い越せと外国人指導者を招き技術導入を図るが、製糸技術についてはフランス人、ポール・ブリューナを招いた。ブリューナは候補地選定のため各地を回った。東京への至便さと、工場の立地条件を考えて富岡に白羽の矢を […]

世界遺産登録をめざす富岡製糸場1  by 菊地 正浩

  • 2009.04.21

●富岡市誕生の歴史  いま群馬県富岡市周辺が熱い。平成19年(2007)に世界遺産国内暫定リストに搭載されてから、訪れる観光客も多く、官民あげての観光振興に力を入れている。富岡市とは県西部、利根川の支流鏑(かぶら)川流域に位置し、地名は江戸時代初期に始まり比較的新しい。明治22年(1889)、富岡、七日市(なのかいち)、曽木の三郷が合併して富岡町となる。昭和29年(1954)、富岡町、一ノ宮町、小野、黒岩、高瀬、額部(ぬかべ)の四村が合併して富岡市となる。昭和30年(1955)吉田村、昭和34年(1959)福島町の一部、昭和35年(1960)丹生(にう)村を編入、2006年平成の大合併で妙義町 […]