止まらない鉄道車輌ステンレス化の流れ

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京浜急行に初のステンレスカーとなる新1000系5次車が登場し、レイルファンの間で話題となっています。京急はこれまで首都圏のJR・大手私鉄の中では唯一ステンレスカーや無塗装アルミカーを導入していなかったのですが、ついに、ここにもステンレス化の波が押し寄せてきたのです。
1958年に登場した東急5200系を嚆矢とする我が国のステンレスカーは、長らく一部の会社でのみ導入されてきました。70年代までは東急、南海(高野線系統の通勤車)、京王帝都(井の頭線)、京成、近鉄(1形式のみ)と数えるほどでしたが、、80年代以降徐々に勢力を拡大。転換点となったのは1985年。ステンレスカー導入に消極的であった国鉄が205系(山手線)が登場させて以来、国鉄/JRの車輌も急速にステンレス化の波が押し寄せ、今では新たに登場する車輌の大部分がステンレスカーです。
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ステンレスカーは、車体の一部に塩化ビニールのテープを貼付するだけで済むため、定期的に塗り直しが必要となる鋼製車とは異なりメンテナンス作業の省力化を図ることができます。各社がこぞって導入を進めているのも理解できなくはありません(もし、私が鉄道会社の経営者であったとしても同じようにステンレス化によるコストダウンを進めることと思います)。しかしステンレスカーは帯の部分(のステッカー)でしか外観上の個性を表現できないため、どうしても似たようなイメージとなりがちです。実際、ステンレスに赤系のラインが入る東武と東急の通勤車を一般の地元以外の方が見分けるのは難しいのではないでしょうか。
私感ですが、車輌撮影も模型製作も車輌に個性やバラエティ感があればこそ楽しいのであり、没個性となればなるほど、趣味的な興味は減殺されるような気がします(余談ですが、新幹線は東北新幹線が開業するまで長らく0系一形式のみでしたが、その頃はレイルファンの間でも趣味の対象としてほとんど認知されていませんでした。路線数が増え形式数が増加してきた90年代に入り、ようやく鉄道雑誌でも新幹線の特集を組むようになりました)。
大手では阪急、京阪が今なおステンレスカー未導入ですが、もはやこれも時間の問題なのかもしれません。
投稿者:小関秀彦
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