『天地人』第14回「黄金の盟約」

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ガ~ン! あまりの脱力系の番組づくりと軟弱兼続に視聴者は離れていき、前回はとうとう17.8%というワースト更新。3月中に20%を切ってしまったよ。この先、どうなるんでしょうかね。お先真っ暗です。
 で、今回も脱力系のストーリーに唖然。前回の約定を違えて攻めてくる武田軍に兼続が「もう一度使者として行かせてくれ」といい、周囲から幽閉されてしまいます。これでは第12回で桑取の郷士に真心で接したはずの兼続が、今度は黄金で武田を懐柔しようとする矛盾。この銭ゲバと化した兼続を、周囲が幽閉したのもわからないわけではないですが。第12回で余計なストーリーを挿入したから、さらにおかしくなったわけで、兼続の「義」もここまでくると、単なるご都合主と成り下がってしまいました。もちろんこれは妻夫木君が悪いわけではなく、支離滅裂な脚本を書く作家がいけないのですが。
 今回のストーリーをうまくもっていくとしたら、兼続は前回で死ぬ寸前の高坂弾正に会っているわけですから、史実とは違えども『甲陽軍鑑』のように長坂長閑斎・跡部勝資の両名に悪役ぶりを発揮してもらえばよかったのです。兼続が再び使者に立ち、この奸臣両名に会います。このような感じで……。
兼続「高坂殿との和議の約定は成立したはずです」
長坂・跡部「はて、わしらは知らんのう。第一、筆頭家老であるわしらは何も聞いておらぬ」
兼続「ですから信濃と上野の上杉領を譲るという条件で」
長坂・跡部「そんなもの、今の殿の力をすればたやすく攻略できることじゃ」
兼続「……」
長坂・跡部「それよりもホレ、謙信公は莫大な遺産を遺したというではないか。そちらを出すのじゃ」
兼続「……」
長坂・跡部「どうせ討死すれば金など不要じゃろ、出すのじゃ出すのじゃフェッフェッフェッフェッ」
兼続が去ったあとで、
長坂「跡部、お主も悪よのう」
跡部「そういう長坂様こそ」
 最後は時代劇に登場する悪代官と商人のノリになってしまいましたが、こうすれば兼続が悩んだうえで、黄金を武田軍に差し出したのは苦渋の決断だったとなります。こういうの期待したんですが、長坂長閑斎・跡部勝資の両名は登場しませんでした。結局、金を武田軍に贈ることを決断した景勝。兼続と上田衆を百姓に変装させて武田への使者にたち、あっさりと景虎の監視網をクリアしてしまう。全然緊迫感がありませんな。しかもいきなり武田勝頼と面会。「金で動かさそうとは上杉も落ちたものよう」となじる勝頼に、兼続は謙信が信玄に塩を贈った話(ウソ)を出し、「金は使い方次第で卑しき者にも尊き者にも変わります」って、これ「塩は使い方次第でうまくもなればまずくもなる」という徳川家康と阿茶の局(お梶の説もあり)のパクリではないですか。で、金と塩は一緒なんでしょうかね。
 このあと、またも二元中継で安土城の信長と初音のコンビが出ていました。合成の風景でアニメじみた両名。青春ドラマやってんじゃないんだからさぁ~。
 上杉と武田の同盟が成立したあと、勝頼の妹菊姫が景勝との婚儀が決まりますが、勝頼の妻北条夫人は、北条氏政の妹で景虎とも兄妹のはず。こちらの関係はまったくスルーされてしまいましたね。どうでもいいことですが。
遅れましたが、他の先生方の批評も併せてお読みください。
橋場日月先生『日次記(ひなみき)』
 史跡紀行では新潟県湯沢町の荒戸城跡、南魚沼市の龍澤寺や樺沢城跡などが紹介されました。なぜか季節に似合わない冬の景色で。実は僕も昨年1月に樺沢城跡と龍澤寺へ行ったのですが、あの豪雪は半端ではなく、城山の登山は断念しました。最寄は上越国際スキー場前ですが、北越急行の各駅停車は通過してしまうのが残念です。樺沢城跡と上越国際スキー場前(無人駅)に近いJR石打駅のスタンプは、第6回でUPしてしまったので、今回は昨年1月の豪雪のとき、凍死寸前で撮影した龍澤寺と雪煙をあげる北越急行電車をUPします。関連するスタンプはありませんので今回は割愛します。
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投稿者:管理人
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