『天地人』第25回「天下人の誘惑」

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 再来年の話になりますが、2011年度の大河ドラマは、三代将軍・家光の生母・江(ごう)の生涯を描いた『江~姫たちの戦国~』の発表がありました。やはり戦国→幕末→戦国と来るようで、信長・秀吉・家康はドラマにははずせないのでしょう。原作のないオリジナル脚本だそうですが、脚本家は『篤姫』の作家で、明らかに篤姫ウケを狙っている様子です。さて、江役はいったい誰になるんでしょうね。
 本題に入ります。景勝が過労で倒れ、名代をつとめる兼続。そんな兼続に秀吉から誘いの手が伸びます。大坂城ではいきなり幸村が秀吉の近習として仕えていたので兼続はビックリ。まぁ真田は「表裏比興の者」といわれるほどですからね。と、ここまではよかったんですが、あの初音が出てきて、またもドラマが台無し。北条に送られたはずの初音が任務をはたさず逃げ出したため、裏切者として追手に追われ深手を負って上杉の宿所に逃げ込みます。そこに初音を引き渡せと幸村が参上。幸村は兼続に「関白の家臣になってくれ」と懇願し、家臣になれば褒美として姉の命を救うことができると。な、馬鹿な。で、もって救う手立てをお涼に頼む兼続。
 翌日は兼続が出仕しているところ、景勝に利休が尋ねてきます。利休は秀吉が兼続に執心していることを告げますが、景勝は「いらぬ詮索は無用」と動じません。と思ったらいつの間にか初音は逃げ出しており、兼続はそれを探していると、今度は三成がきて止めさせようとする。兼続は「女一人救えなくてどうする」と、妻でもないトラブルメーカーに執心して男の株を一気に大暴落させました。兼続ファンの女性も怒ったでしょうね。で、三成も「初音は俺が探す」といって、秀吉が景勝の前で兼続を家臣にしようとしていることを告げてあとにします。
 でもって、いよいよ一番最初のオープニングに登場した秀吉と兼続のやりとりが始まるといったところで、次回に続きます。しかし、ただ単に秀吉が兼続を狙っているだけにしておけばいいのに、くうだらない初音を出してしまったことでスケールの小さい兼続にしてしまいました。女一人救えなくてってねぇー、あなた今までどれだけ多数の人々を巻き込んで殺したの? 景虎・華姫・魚津城兵しかり……。この違和感が続く限り、ドラマはどんどん萎えてゆくことでしょう。なんというダメな脚本家でしょうか。
 史跡紀行では大阪府堺市の千利休屋敷跡、南宗寺などが紹介されました。残念ながら堺は未訪の地で、ついに写真も途切れてしまうところだったのですが、幸い以前制作した『全国路面電車でゆく旅』(交通タイムス)であの山﨑友也カメラマンが撮影した阪堺電車と南宗寺の写真がありましたのでUPします。ただし今回はスタンプはありません。南宗寺は大坂夏の陣で戦死したという伝説のある家康の墓があったりして、なかなか興味深い寺です。
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(撮影/山﨑友也)
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投稿者:管理人
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