新幹線を運転する6

NO IMAGE

tagonourafujisan0kei.jpg
雨が少し強く降ってきたようだ。三島からは田村氏がハンドルを持ち、私は検査担当業務となる。ひかり号は運転士2人で東京~三島~豊橋~米原~新大阪を4区間に分けて、交代で2区間づつを運転します。また、こだま号は運転士は1人なので、東京~新大阪の場合は、東京~名古屋を運転して名古屋で1時間半余り休憩。再びこだま号を運転して新大阪に下る勤務。上りのこだまは静岡で休憩をとり東京まで上ります。
下り、上りのどちらかが片道こだま運転で大阪泊まりの場合は、片道は必ずひかり運転の勤務になっていました(現在はすべて一人乗務で、検査担当の業務は電車車内の空調や自動ドアその他サービス機器のなど故障応急処置は車掌が行い、動力関係など主回路の故障の場合は、100系からは、運転台パネルで故障車両ユニットをカツトして、他の車両から電源を移すなど、運転台で、運転士1人で管理できるように、電車の性能も向上し、ますますコンピュータ化されています。やがて運転士も運転する仕事から、運転管理させられる立場の運転士になるのかも?)。
fujikawa700kei.jpg mikanbatake0kei.jpg
降りしきる雨と電車の高速度に、ほとんど水を拭きとる効果のないワイパーの動く視界のなか富士川を渡る。右手に望む富士山も影形なく隠れている。天気がよく富士山が美しさを表している時、この沿線は、新幹線を撮影する人々を多く見る。田子の浦や富士川は新幹線撮影スポットなのです。蒲原、由比などいくつかのトンネルとみかん畑の間を通りやがて静岡を通過。
「静岡マル!」
お互いに歓呼し乗務日誌に記録する。マルは定刻通り通過の事。15秒以内の誤差は定時とする。これが、天皇陛下のお乗りになるお召し列車の場合は1秒の誤差も許されない。必ず定められた時間に通過・停車駅の定位置で時計の針の12の位置に秒針をぴったり合わせるように運転をしなければならない。これは指名された運転士の職業技になっている。もちろん、停車・発車時の気づかない静かな乗り心地のよさも、まさに電車と一体となり操作していく熟練技なのです。
chabatake700kei.jpg
ひかり5号は、青々とした牧の原の茶畑台地の香りの中を超満席のお客を乗せて走り抜け、波打つ浜名湖を通過。やがて豊橋の駅に近づいてきた。
「サア!交代しよう。ところで、新大阪に着いたら、久々にお好み焼きでも食べに行こうか!」
田村氏に声をかける。
「そうしよう、大阪に着く頃は雨も上がっているだろうし」
昼飯雑談で盛り上がるうちに、豊橋を定時通過。次は停車駅の名古屋だ。パート7につづく!
投稿者:にわあつし
人気blogランキングへ