観光地トイレの向上について4

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秩父鉄道三峰口駅前の無料トイレ
●その他の観光地トイレ
都市よりもローカルになればなるほどトイレを探すことが大変になる。自然観光地になればなるほどトイレの整備が進んでいないし、ピーク時対策、男女比対策も進んでいない。もちろん、和式のトイレが多く、車椅子用のトイレもない。施設管理者は利用者がどのようにトイレを使っているか把握しているのだろうか? 手の力だけで便器に乗り移れない人もいるのである。ひと昔前と格段に身長、体重も増え体格が良くなったことも考慮しているのであろうか。サービス産業としての宿泊施設で寝床とトイレは完璧でなくてはならない。だから今までの既成概念を取り除き、物事の基準を自分に置かず、関係者の意識の統一化を図ることが重要である。
観光振興策について聞かれることがある。筆者は必ず「トイレ」のことを提案する。そのくらい満足な観光地は少ないと言える。行政も観光協会や観光関係の方々も、皆一様に頷くがそれから先一歩も進んだためしがないといっても過言でない。観光客誘致策として不可欠な一つにトイレ問題が重要ことは判るが、対策は進まないのは何故か、筆者はトイレは行政のやることと思っているところが多いことを指摘しておきたい。トイレはタダ、しかも鉄道や行政がやってくれるものと勘違いしている観光地の人たちが多い。観光振興策の一環としてトイレ問題に地域ぐるみで取り組んでいるところもある。いくつかの好事例を紹介してみたい。
京都東山観光マップ
大規模な観光地のトイレ対策として、観光トイレマップを作成して提供している。この取り組みの趣旨に賛同する会員から協力金を集め、観光リーフレットなどのほか、地域で統一されたトイレ利用可能を示す表示を行う点や、民間協力による事例である。
千葉県銚子市トイレマップ
「どなたでもご自由に」をキャッチフレーズとして、トイレの所在地リストと場所を表示した地図を置いて配布している。ホテル、スタンド、お寺、ラーメン、寿司、市場、観光施設等々で参加54カ所にのぼる。
福島県会津若松市
アネッサクラブ(商店街の姉さま)。地元商店街が一体となって取り組んでいる「4つのどうぞ」①お茶をどうぞ、②お荷物をどうぞ、③椅子をどうぞ、④トイレをどうぞ、である。トイレについては個人商店も含め既存施設の活用を図りサービスしている。
宮城県気仙沼市
1995年第14回全国トイレシンポジウム開催市。早くから行政と地域住民一体となった取り組み。市役所職員、商店主、会社員、主婦などのボランティアにより公衆トイレの清掃、メンテナンスを行っている。
群馬県
ぐんまビジタートイレ認証制度(認証マーク)。①清潔、②安心・安全、③誰でもみつけやすい、④誰でも使いやすい、⑤まちにあったものを。県内約600カ所の公衆・公共トイレを調査し、平成18年度末で約100カ所を認定した。
富山県
富山県快適トイレ推進プラン。「いつでも、どこでも、だれでも、安心して、快適に」利用できる。「環境に配慮した」トイレの推進。富山県トイレマップの作成。「環日本海トイレフォーラム」の活動。「トイレガイドマップ」の作成。
新潟県
観光客へのトイレをどうぞというメッセージ。「まちなか、みちなか、どこでもトイレ事業」
熊本県
「商店街がUD事業でトイレの提供」中心市街地6商店街がトイレを無料で提供。(私たちはお手伝いします)トイレが使えますシールを店頭に掲示。
パート5につづく
投稿者:菊地正浩
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