三浦半島油壺湾2

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●国土交通省国土地理院油壺験潮場
 バス停から約100mほどのところに験潮場入口という標識が立っている。足元の危険な階段状の狭い道を下りて行くと、ほどなく一等水準点(写真右)に突き当たる。ここは、全国に設置されている基準水準点83点の一つで№.26である。昭和5年(1930)に設置され、標石上面が東京湾平均海水面からの高さ(標高)を表わしている。その高さは16m6905となっている。
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 さらに下っていくと海となり、そこに験潮場が設置されている。北緯35度9分37秒、東経139度36分56秒に位置し、明治27年(1894)7月から観測が開始された。験潮場は2棟あって奥にあるレンガ造りのほうが最初の験潮場(写真左)、手前が新しい験潮場(写真右)である。古い験潮場には「建設省国土地理院油壺験潮場」という古びた木の看板が掲げられている。
 現在は手前の新しい建物が使われており、館内には海面の上がり下がりを自動的に、精密に記録する験潮儀が設置されている。この記録は高さの基準を決めたり、土地の変動や地震予知のために非常に大切な資料になる。我が国は明治政府が国土の測量を始めたとき、東京湾の霊岸島験潮場のデータを使用していたが、関東大震災後は油壺験潮場のデータを基準としている。
 毎日水位観測を行い、東京都千代田区永田町1―1憲政記念館構内にある、日本水準原点の基準値に使用されている。当初は25mであったが、関東大震災による地盤沈下と潮位の変化により86㎜修正されて、24m4140となり現在に至っている。この基準により全国の標高が定められ、富士山は現在の3776mとされているのである。また、毎日のデータは海岸昇降検知センターにも送られ、気象庁や海上保安庁、全国の自治体による験潮データと併せまとめられている。最近の地球温暖化による海面上昇や地震予知などに不可欠な資料となっているのだ。

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 験潮場からさらに100mほど足を延ばすと小網崎の先端にマリンパークがある。1DAYフリーきっぷを提示すると、入園料大人1700円が1000円になる。ここは昔、三浦氏の本拠、新井城があったが、三浦道寸(義同〈よしあつ〉)のとき、永正15年(1518)北條早雲によって滅ぼされた。この城跡に油壺マリンパークという海のレジャーランドがある。360度ぐるりとドーナツ型の大回遊水槽には、全長3mのサメ「シロワニ」が遊泳していたり、色々な魚の餌付けが見られる。大海洋劇場ファンタジアムでは、イルカ、アシカショーやキタイワトビペンギンなどが身近に見られる。しかし、油壺の特徴的な物といえば、「海洋深層水」であろう。このマリンパークでは海洋深層水を利用した世界初の展示施設「海洋深層水館D・S wonder」が見どころである。

パート3につづく
投稿者:菊地正浩
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