『天地人』第3回「殿の初恋」

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 景勝のライバルとなるもう一人の養子・景虎(玉山鉄二)登場。歴史作家の先生方からはもう一人の養子・上条政繁が出てないと突っ込みが入っていますが、どうしちゃったんでしょうか。
 無骨な景勝に対し、多芸でハンサムで春日山城の女性のアイドルとなっている景虎。兼続がなんとかしようとしゃしゃり出て、景勝にお尻ペンペンされたり、仙桃院にお灸を据えられているところがおかしい。お船と兼続の再会はひょんなところから。暴れ馬が登場し、お船がそれを止めている。世が世ならGIジョッキーになれる資質ありのお船さん。ところがそのお船さんに景勝がひと目惚れ(コシヒカリではありません)。舞ができない景勝に替わって、上半身裸になっておかしな踊りをする兼続と上田衆たち、謙信の気をひこうと必死になっている姿が笑えます。
 また余計な気を遣う兼続が偽のラブレターでお船と景勝を引き合わせますが、シャイな景勝はしゃべることもできません。兼続は自分のやっていることが裏目裏目に出て、出陣も叶わぬこととなり、景勝の出陣の際に通夜のように泣き出すし、母の手紙を読んで泣いている。史実の兼続とは違うような気もしますが、あの反則技でもあったミニ与六の泣き顔をフィードバックさせて母性本能をくすぐっているのでしょうか。
 今回、少し気になったのは景勝の妹・華姫(相武紗季)と兼続が親しげに話しているシーン。華姫はのちに景虎に嫁ぎ、悲劇を迎えてしまうヒロインです。しかし、坂戸のある南魚沼にはもうひとつ伝承が残っていまして、景勝の妹・桂姫と若き日の兼続が恋に落ちる話があるようです。だったらいっそのこと華姫と兼続に恋心を抱かせ、そのうえで引き裂かれた話にしたほうが、いっそストーリーにもふくらみがもてたでしょうに。原作の真田幸村の妹とかいう初音(長澤まさみ)と恋に落ちる話などいらん気がします。というのは武田の忍びで望月千代女の養成した「歩き巫女」は、妖艶なテクニックで男を落とす術があるのですが、お堅いNHKではそのようなシーンは割愛され、不完全燃焼になってしまうからです。
 あと、いきなり岐阜城の吉川信長が出てきて、「天地人は信玄ではなかった」なんて唐突すぎますね。でも、吉川信長はかっこよくていい味出しています。人物設定はまずますではないでしょうか。
 なお、こちらこちらこちらもお忘れなく。
 史跡紀行ではお船の直江家の故郷である新潟県長岡市与板町が登場。本与板城と菩提寺の徳昌寺、伝統工芸の打ち刃物などが紹介されました。与板城のほうが登場しなかったところを見ると、小出しに紹介してゆくのでしょう。本与板城は時間がなくて本丸跡まで行けず、遠景だけ撮影して終わらせましたが、丘のような山ですので遠景では分かりにくいです。今回は本与板城の入口に開設された売店おせんと打ち刃物、与板へのバスが発着するJR長岡駅のスタンプをUPします。
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投稿者:管理人
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