『天地人』第7回「母の願い」

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 七尾城攻めはどうでもよかったようなホームドラマでした。
 故郷の雲洞庵で蟄居生活を送る兼続。母が病身でありながら「会わす顔がない」と寺に籠もりぱなしです。今回びっくりしたのは、初登場のお船の最初の婿・直江信綱(山下真司)。えらく老けた役者をと思っていました信綱の年齢。僕はこれまでお船に嫁いだのだから30代とばかり思っていました。ところがウィキ情報によりますが、生年不詳なものの、大永7年(1527)に父景明に攻められ降伏。幼少の景孝に家督を譲ったとあります。このとき仮に1歳としても、お船(21歳)を娶るのは51歳となり、おそらく初婚ではないでしょう。景勝より30近く上ですし、しかも謙信よりも年上になってしまいます。総社長尾氏との結束を固める政略ともとれますが、どうも信綱の生年に疑問ありです。詳しく知っている方がいれば教えてくださいませ。
 一方、兼続の母は生没不詳で、史料に残っていないところを見ると、結構早くに亡くなってしまったのかもしれません。その母お藤が危篤となり、それでも行こうとしない兼続に和尚が怒り、兼続はかろうじて死に目には間に合いますが、母は兼続に言葉を発しようとする前に切れてしまいます。
 母の葬儀に従兄妹にあたるお船が出席し、その帰りに兼続が供をしますが、帰り道で紅葉の散るのを見て、母の言葉を思い出します。
「そなたはモミジになるのです」
 ここでお船とツーショット。「父景綱もモミジの如く散っていった」と云い、兼続は上杉のサムライの生きる道を見出し、「二度と泣きません」と決意。お船は「その言葉をもう少し早く父が聞いていたら」と後悔しますが、まぁドラマですから、ここまでして伏線をはりたいのでしょう。
 ここでもあのミニ与六(加藤清史郎)が回想で出てきましたね。このミニ与六さん、14日の南魚沼市雪まつりに呼ばれ、「わしはこんなとこ来とうはなかった!」と云われず、「わしはこんなとこ来てよかった!」と云われて大盛況だったようです。あの名演技が見たい方はこちら。しかし、老婆心ながら気になってしまうのは、ブラウン管での演技がすばらしければすばらしいほど、現実が虚像になってしまうのではないかと。ケンちゃんシリーズの宮脇君ではないですが、あの『篤姫』で理想の夫婦を演じた宮﨑あおいさんに早くも旦那の不倫疑惑の暗雲が立ち込めています。僕の場合は日記も実像もありのままの生き地獄演じていますが……。
あと、他の先生方の批評も併せてお読みください。
橋場日月先生『日次記(ひなみき)』
桐野作人先生『膏肓記』
 史跡紀行ではほとんど舞台に出てこなかった石川県七尾市の七尾城跡や石動山城跡などが紹介されました。こちらも未訪ですがデザイナーの上田氏が撮影に行きましたので、今回は上田氏提供の七尾城とJR七尾駅のスタンプをUPします。
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投稿者:管理人
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