東日本大震災後、福島県いわき市の活断層、湯の岳断層をフィードワークする① トルヌス21号から  by 菊地 正浩

東日本大震災から1年が過ぎ、確実な復興の兆しは、旅の世界においても見えてこない!!

※ これからの旅は防災抜きには考えられないか  

 この1年間「ニッポン」」の代々の関心事は、東日本大震災と、福島原発事故に関わることだったと言える。たとえ旅に出かけるにしても、「安心安全」が一つの価値基準となり、防災の観点なから、目的地、旅行コース、宿泊地、更には食材までチェックして出かけざるを得なかった旅行者も多かったに違いない。旅は楽しいものから、十分に注意しながら行動しなけれればならないものになり、これからの旅の形態に大きな変化をもたらすかも知れない。今後とも、大規模な地震が予想されているだけに、原発事故ともあわせて家に閉じこもりがちな旅行者に、あるいは海外からの旅行者にどう対応していくのか、旅行ジャーナリストにも問われている。

 

 いわき市は福島県の南東部に位置し、アジア大陸の東、弓なりに曲がる日本列島のほぼ頂点にある。市域は、東西39km、南北51・5kmで日本で二番目に広大。房総半島から北に続く鹿島灘の最北端にある海岸は、勿来から久ノ浜まで約80kmと、海岸線は日本一の長さを誇っている。

 2011・3・11の東日本大震災により、この海岸は大津波に襲われ、福島原発に近いこともあって、いまも放射能被害や風評被害にも見舞われている。

福島県いわき市小名浜港の岸壁に打ち上げられた漁港

 しかも、いわき市が大震災の1カ月後の4月11日、M7・0という内陸直下型地震に見舞われたことはあまり知られていない。地表地震断層の走向をフィールドワークし、今後の断層活動を注視したいと思う。

 

●揺れ動くフラガールの郷・湯本温泉郷
 2012年2月8日、スパリゾートハワイアンズが本格的に営業を再開、フラガールによる華麗な舞と流れるプールでの歓声が戻ってきた。
津波被害のなかったこの施設が、約1年間も休業を余儀なくされた背景には、湯の岳、井戸沢の地表地震断層が走向し、建物被害の他に、プールに大きな被害をもたらしたことによるものである。
湯本温泉郷の後背地にある湯の岳(標高593・9m)は、赤井岳、とともに磐城三山の一つに数えられ、別名を岳と言う。

 命名は山頂に三個の函形の石があったことに由来すると言われ、山頂からは眼下にいわき七浜の美しい海岸線、阿武隈山系など四季を通じて眺望が楽しめる。
湯本温泉「三函の御湯」は千年以上の歴史を誇り、道後温泉、有馬温泉と並び日本三大名湯とも言われた。

 多くの鉱泉で知られる、いわき浜通りにあって、唯一の温泉郷である。かつては断層線に沿って自噴していたが、明治以降は常磐炭鉱で採炭が進むにつれて、自然湧出がとまり、地底に湧出する熱湯を坑内から汲み上げている。競走馬のリハビリ温泉施設のある温泉としても知られている。

 

≪ トルヌス21号(2012年4月11日発行)から 1/3回 ≫

( 2012年7月31日 掲載 )

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