スガキヤの野望と挫折

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小関さんも一時期ナゴヤに住んでいたそうですが、子どものときに体験した味覚は、トラウマとなって一生を左右してしまうといわれます。管理人も高校卒業まではナゴヤで暮らしていましたので、その味に支配され、とくに帰省した折には無償に食したくなるものです。そんな新シリーズ「不思議の国ナゴヤ」では、あの独特のB級グルメを不定期で紹介します。
第一号はスガキヤ。ナゴヤに本社をもつラーメンや甘味を扱う店で、向こうの国ではインスタントラーメンも売っています。東京圏の人に「スガキヤ」といっても知らない人のほうが多いようですが……。かつて90年代後半までスガキヤは関東や甲信越地方にも進出していましたが、需要が見込めないことから次々と閉店してしまいました。昔、川越で食したときは「うーん、この味」と満足していたものです。ところが2005年に再度「Sugakiya 高田馬場店」をオープンしたときは何度か行きました。しかし、客入りは芳しくなかったため、2006年9月30日をもって閉鎖撤退となりました。なかなか関東の人には受け入れられ難い味覚です。
スガキヤが関東で苦戦してしまうのは、コスト面の問題があります。さすがに高田馬場店はやや割高に設定されていましたが、それでも一杯1000円のラーメンが当たり前の時代ですから、テナント料を考えると経営が難しいのです。ナゴヤでは主にユニーやジャスコ、バローなど大型のショッピングセンター内に店舗があり、ハンバーガーのセットよりも遥かに安いので、学生や主婦憩いの場として賑わいます。高田馬場店の失敗は客層もありますが、カウンター席中心でくつろぐ場がなかったことです。
育ち盛りの若い頃は2杯注文も当たり前、なかには3杯食した人もいるように、ラーメンの価格は現在でも280円と安価に設定されており、写真のタマゴとチャーシューが入った特製でも390円です。最近は『日高屋』やもっと安いびっくりラーメン180円もありますが、安さと味の比ではスガキヤに優るものはないのです。
基本は和風のトンコツ系の白湯スープですが、九州のトンコツとは異なり、魚系のダシがきいています。よく「ヘビを使っている」という都市伝説がありましたが、ヘビなど使ったらあんなに安価で提供できるはずがありません。たしかに全国津々浦々のラーメンを食べ歩いた現在では安っぽい感(とくにあのハムのようなチャーシュー)は否めませんが、こづかいも限られている貧しい学生時代には何度お世話になり、空腹を満たしてくれたことでしょう。東京ではマクドナルドなどのファーストフードが憩いの場に使われていますが、ナゴヤではスガキヤだったのです。こうして書いているだけでも、別腹がうずき出し、もし近くに店があるなら入ってしまうあの味。隠し味に麻薬を使っているなんてガセもありましたね。
投稿者:管理人
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