『篤姫』第20回「婚礼の夜」

NO IMAGE

18日取材に出掛けておりましたので、1日遅れのUPとなります。
 今回のストーリーは「将軍家定はうつけか否か」のような展開で流れていきました。まあ、たしかに家定にとってあのような婚礼儀式は三度目だから疲れるのでしょう。篤姫の江戸入りが嘉永6年(1853)で、婚礼が安政3年(1856)12月18日ですから、江戸にきて3年。随分と長くかかった嫁入りでした。
 大奥で重要となる床入りですが、屏風ごしに待上臈と茶坊主(女)が控えており、寝所での会話などを報告する義務があるため、プライバシーなどありません。家定は「面白い話をしろ」といい、篤姫がハリスなど政治がらみの話をすると嫌がります。昔話を命じた篤姫は一言話してすぐに寝入ってしまいますが、これを報告された本寿院はダウン。その後、篤姫の寝所へのお渡りがなくなってしまいます。このあたりの史料は桐野先生の『膏肓記』が詳しいのでこちらをどうぞ。
 で、篤姫は家定の本性を見極めるため、家定と一緒にアヒルを追いかけ、危うく池に落ちそうになるところを家定に救われる。この一件で家定は暗愚でないことを悟ります。しかし、これでは話としておもしろくありません。家定が暗愚か聡明か見極めるなら、もう少し家定の行為に付き合うべきでしょう。一緒にお菓子をつくったり、かくれんぼしたりするとか。
 史跡紀行では鹿児島県日置市日吉町吉利の小松帯刀ゆかりの史跡を紹介していました。帯刀像のある清浄寺、お仮屋敷、鬼丸神社、園林寺跡などを紹介していました。鹿児島と水戸は廃仏毀釈が盛んだったようですが、その爪痕が残っていましたね。なお、日置市は2005年5月に広域合併で誕生した市で、今回紹介された吉利は旧日吉町にあたります。かつては伊集院~枕崎を結ぶ鹿児島交通南薩線がありましたが、昭和58年(1983)の豪雨災害のため、翌年3月に廃止となってしまいました。もちろん未訪の地ですので写真やスタンプは割愛させていただきます。
婚礼や床入など大奥の話題が多くなってきましたが、大奥の職制やしくみを知るには下記の本をおすすめします。
ooku.jpg
『大奥』(清水昇・川口素生 共著/新紀元社)
A5判 1995円 ISBN978-4‐7753‐0595‐9
2007年12月発行。おなじみ歴史作家で著作を多数出している清水・川口両先生による大作です。本書は①大奥とは、②大奥と将軍をめぐる陰謀、③大奥の歴史、④徳川将軍家の妻妾や生母などの資料編と4部構成にし、1・2章を清水氏、3・4章を川口氏が執筆しました。江戸時代の大奥全般について詳しく紹介し、まさに「大奥大事典」と呼ぶにふさわしい一冊です。

購入
投稿者:管理人
【人気blogランキングへ】